「にしたんクリニック」西村誠司社長 30億円豪邸暮らしに隠された幼少期の極貧生活
東京都渋谷区に、総工費30億円超えの大豪邸が完成した。家主は「にしたんクリニック」などで有名なエクスコムグローバル株式会社の西村誠司代表取締役社長(54)。テレビ出演も多く華やかなイメージの“タレント社長”だが、幼少期の環境は今と真逆のものだったという。 【写真】これが30億円豪邸!金の滑り台&インフィニティプール 【想像以上の仕上がり】 8月、渋谷の一等地にとある豪邸が完成した。大通りを少し外れて路地を進むと、シルエットが特徴的な熱帯花木・パラボラッチョの木と、艶やかな緑色の葉を茂らせるオリーブの木が来客者を出迎える。西村氏によると、この2本の巨木だけでお値段7000万円超え。外に置いておくにはもったいないような代物だ。 邸宅内はさらにすさまじい。厳かな雰囲気のエントランスを抜けると、1階が来客者用の広々としたエリアだ。デザイナーによる芸術作品や最高級のソファ、超大型ビジョンなどが設置され、客をもてなすためのワインセラーには金色に輝くボトルが何十本と並ぶ。 「ついに完成したんだ…っていう思いです。完成予想図のCGを見ても、リアルはやっぱり分からないじゃないですか。でもリアルが出来上がって(実物を)見た時に、本当に想像以上に仕上がったなっていう感じです」 中でも西村氏のお気に入りスポットは屋上の“インフィニティプール”だ。プールサイドの縁を隠すことで水面がどこまでも広がっていくような錯覚をもたらす設計の特殊なプールで、サウナや炭酸泉風呂、4000万円の金の滑り台なども併設されている。 「水を入れた時は、当然のことなんですけど『インフィニティじゃん!』ってなりましたね(笑い)。正直、この渋谷のど真ん中で“インフィニティ感”って出るのかな…っていう不安な部分はあったんですけど、眺望も良くて最高でした。僕は週に2、3回入っています。全く飽きないです」 噂を聞きつけたテレビ局から取材依頼も相次いでいる。すでにフジテレビ系「オドオド×ハラハラ」、TBS系「ジョンソン」などのゴールデン帯での紹介も実現し「グーグル検索キーワードの急上昇ってあるじゃないですか。ジョンソンが放送された日、『西村誠司 自宅』っていうワードが急上昇2位だったんです」とニヤリ。ネットのチェックも欠かさない。 7月にTikTokを開設し、30億豪邸の内部や自身の給与明細を公開するなど、ネット民からの注目度も右肩上がり。「トレンディエンジェルの斎藤さんと撮った動画が一番回ってないんですよ(笑い)」と明かすと「でもこれは裏を返せば、必ずしも芸能人だから回るってことじゃないから、普通の人でもめちゃくちゃチャンスのあるプラットホームですよね」と分析もバッチリだ。 【優しかった母が原点】 そんな西村氏に“普通の人”でもチャレンジできるビジネスはないか聞いてみると「インバウンド」(外国人の訪日旅行)と即答した。 「この間、大相撲の秋場所の初日を見に両国国技館に行ったら、外国人のインバウンドの人たちがすごい団体で来てたりして。僕、アメリカに住んでたから特に思うのが、日本ほどこんな豊富な観光コンテンツを持て余してる国ってないですよ。今世界で一番インバウンドが多いのってフランスとアメリカの8000万人ぐらいだと思うんですよ。でも今、日本は多分3000万人台ぐらい。僕はこの(観光の)ポテンシャルなら1億は軽くいくなって思うんです」 さらに西村氏は、ボロボロの古民家を外国人向けに“インバウンド価格”で提供したところ、数か月の予約待ちになったという事例を紹介すると「そのボロボロっぽさがウケたんだとすると、野ざらしの場所に鶏を飼って産みたての卵を食べられるようにしてもいいし、まき割りが楽しめるサービスとか、地元の人との交流ができるようにしてもいい。とにかく価格は上げたい。外国人の富裕層ってもう物価がバグってるから(笑い)」と指摘した。 マーケティングの話題となるとアイデアが止まらないようで、無邪気な笑顔を見せた。 25歳という若さで起業した西村氏は「イモトのWiFi」「にしたんクリニック」、PCR検査といった、世の中のニーズに沿ったビジネスをスピーディーに展開し“成功者”の地位をつかみ取った。そんな現在とは対照的に、幼少期は極貧生活を送ってきた。小学生の時に父が余命宣告を受け、母もアルコール依存症に陥ってしまい、一家は生活保護を受給することに。中学生になると新聞配達のアルバイトを始め、雪の日でも必死にペダルをこぎ、朝刊に夕刊にと配り続けた。 「母は最終的には酔ったまま死にました。60歳になったか、ならないかくらいの時かな。隣の家の人が、東京の僕の会社に連絡してきたんです。『カーテンも開けずに3日くらいたつ』って。窓ガラスを割って入ったら、やっぱり死んでました。そんな最後まで社会不適合な母親だったけど、めちゃくちゃ優しかったな。人間として。それが自分の原点でもあって、人に親切にすることって温かみがあって大好きなんです」 過酷な状況だったことは否定しない。それでも「あの(新聞配達の)体験を13歳からできたのは大きいです」「欲しいものは自分で稼いだお金で買う、という原理原則を学べたのはありがたい」と語るように、温かい母の影響で西村氏も謙虚に育ったことで、極貧生活すらもビジネスに生かすことができた。 【真面目に勤勉に働く】 「僕が一番大事にしている価値観は、真面目に勤勉に働くことです。小さなことでも手を抜かず、1秒1秒をとにかく積み上げることがすごい大事だなと思って。それが積み上がって今日になるんだと思います。もしかしたら、小金持ちぐらいの時はちょっとそういう(慢心)のがあったかもしれないですけど、突き抜けたらなくなったっていう感じです。小金持ちっていうのは、年収レンジで、5000万とかそれぐらいで、資産でいくと1桁億ぐらいのところ。その辺が一番こう、飲み歩いて派手にやってるようなね(笑い)。でも、その先の次元、特に金融資産で100億とかのレベルになると、基本的な謙虚さだったり、人様のおかげだとかっていう感謝の気持ちがないと(壁がある)かな」 今は不妊治療の分野に注力している。 「国を思う日本人として、この国が持つ人口問題はやっぱり最大の課題としてあるじゃないですか。この課題を残りの人生で自分が全身全霊で取り組んでいきたいって思いがあるんです。より多くの方がお子さんを持つっていう夢をかなえたり、2人で諦めてた人は3人とか、1人だった人をもっと増やすとか…。少子化対策を残りの人生をかけて取り組んでいきたいな。僕たちは今、いち民間企業の一人じゃなくて、国の課題に国の代表としてやってるって思いです。そこを最後、しっかり仕上げてやっていきたいなっていうふうに思います」 これまでと変わらない堅実な価値観をベースに、西村氏らしいド派手な一手で日本を導いていく。 ☆にしむら・せいじ 1970年5月20日生まれ。1995年に25歳で起業。エクスコムグローバル株式会社代表取締役社長として「イモトのWiFi」「にしたんクリニック」などを展開。
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