「人生とシーカヤックの旅は似ている」能登で被災のインストラクター 一家で “世界遺産”・宮島に移住 支援や優しさに “恩返し” 誓う 広島
2人でカーラジオを聞いていたとき、流れてきた曲。「 “世界に一つだけの花” 妻が『一花』がいいんじゃないかって。2人とも『いいね』って」 一花ちゃんが生まれ、守るべき家族は増えましたが、ジョニーさんは仕事も住む場所も失ったままでした。 そんなジョニーさんに助け船を出したのは、宮島でシーカヤックのインストラクターをしていた 春名優一 さんでした。 「『もしも今シーズン能登でショップをオープンできない状況なら、宮島で道具を引き継いでやってみませんか』というメッセージをいただいたのが最初です」 宮島での仕事をジョニーさんに引き継ぎ、ゲスト用のカヤックも譲るとの申し出でした。2人はそれまで直接会ったことはありませんでしたが、SNSでジョニーさんの状況を知った春名さんが共通の知人を通じて連絡をしてくれたのです。 もともと3月いっぱいで宮島を離れる予定だった春名さん。仕事道具も別の業者に譲る予定でしたが、相手に掛け合ってジョニーさんに残せるよう取り計ってくれました。借りていた家も大家さんに掛け合い、自分の車も残してくれました。 3月、宮島で初めて会った2人はカヤックで宮島を回りました。ジョニーさんは、春名さんの優しさと宮島の美しさに触れ、地元を離れることを決断しました。遥奈さんも賛同し、一花ちゃんを連れてまずは1年間、宮島への移住が決まりました。 慌ただしい引っ越しが終わったのは、5月のことでした。新しい自宅はターミナルから歩いて約10分の場所にあります。観光地から一歩入れば、古い建物が肩を寄せ合う、静かな島の町並みが続きます。 若い親子をご近所も温かく迎え入れてくれました。遥奈さんにとって高齢のお隣さんとの井戸端会議は新鮮な楽しみの一つです。仲間もできました。ジョニーさんを宮島に誘った春名さんとも親しかった 沖野比呂海 さん。町内で帆布店を営む本人も結婚を機に広島市から宮島に移住しました。 「カヤックで島の裏の方に行って、観光地として整備された場所とは違う宮島の面白さを伝えてほしい」(沖野さん)
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