「人生とシーカヤックの旅は似ている」能登で被災のインストラクター 一家で “世界遺産”・宮島に移住 支援や優しさに “恩返し” 誓う 広島
故郷を長く離れたことで、かえってその素晴らしさに気がついたジョニーさん。西表島で出会った妻の遥奈さんと石川・七尾市に居を構えたのはおととしのことでした。 観光客の多いハイシーズンはガイドを、それ以外の時期は広告デザインを請け負う生活を続けるうち、地元の観光協会や老舗旅館との連携も深まりました。多くの協力を得て、ことし、シーカヤックやセーリング・サイクリングなどのアクティビティを通して能登の魅力を伝える事業をスタートさせる予定でした。その準備を進めていた矢先、能登半島を大地震が襲いました。 「揺れ始めてから全く動けない状態、それぐらいの横揺れでした。砂ぼこりが落ちてきて、いろんなものがまるでスローモーションのように崩れていきました」 ショップ兼自宅は傾き、住むことができない状態に。妻の遥奈さんと避難生活を余儀なくされます。カヤックは数台が潰れてしまい、デザイン用の機材も被害に遭いました。地震は地元の観光業にも大きな打撃を加え、進めていた事業は暗礁に乗り上げてしまいました。 「『一緒にやっていこう』と言ってくれていた企業などのこともあったし、能登に残って復興のために今後のプランを立てていこうという思いもあったんです。能登のために何かしなくてはいけない、そう悩んでいた私に友人から『今、一番自分にとって大切なものは何かを考えたほうがいい』と声をかけられました。一番優先しなければいけないもの、子どもが安全に生まれて、妻もストレスのない環境で出産を迎えることができる場所、それを提供することが自分の一番の仕事だと気づいたんです」 被災時、妻の遥奈さんは3か月後に第一子の出産を控えていました。「能登で産みたい」と願っていた遥奈さんですが、通っていた病院も断水に。能登での出産はかなわなくなり、2人は遥奈さんの実家がある大阪に身を寄せることになりました。 ジョニーさんは大阪と石川を行き来しながら、ボランティアを続けていました。遥奈さんの陣痛が始まった日も、七尾市から車で駆けつけて出産に立ち会うことができたました。
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