園児の頭強く動かす「不適切保育」 給食食べるのが遅いと「先生にぶたれた」 長野・東御市教委が陳謝
園児の頭に手を乗せ強く動かす
長野県東御市教育委員会は、市立保育園で保育士による不適切な保育があったと19日までに明らかにした。1日の給食時に、他の園児と話していて食べるのが遅かった園児の頭に保育士が手のひらを乗せて強く動かし、早く食べるよう促したという。一般的な保育からは逸脱していたとし、市教委は「行き過ぎた指導で不適切な保育だった」と陳謝した。本紙「声のチカラ」(コエチカ)取材班に寄せられた情報に基づき、取材した。(鈴木淳介) 【地図】長野県東御市はここ
「保育士怖がっている」保護者は転園検討
市教委がこの保育士から聞き取ったところ、保育士は園児に早く給食を食べるよう促したが思い通りにいかず、園児の頭に手を乗せた。行為はこの1回のみで、その他に園児に危害を加える行為や、人格を侵害する発言はなかったという。この保育士はクラス担当をしていたが、現在はクラスから外れている。
母親によると、園児が母親に「保育園の先生にぶたれた」と話し、保育園に伝えたことで発覚。母親は、市教委から今回の行為について謝罪を受けた。母親は「子どもはこの保育士を大変怖がっており、保育士が園にいることで安心して通えないため転園を考えている」という。「クラスの保護者への説明もなく、市教委がどういう対応をしているのかを含めてしっかり説明するべきだ」と話した。
市教委は庁内基準にのっとり保育士の処分を検討する。今回の事案を受け、全保育園職員を対象に7月に研修会を計2回行い、再発防止に努めるとしている。