細胞解析の最新機器、福島医大が国内初導入
福島医大は、手術で摘出したがん細胞などの組織を解析する最新機器「イメージングマスサイトメーターHyperionXTi」を国内で初めて導入した。これまでの技術では数種類が限界だった分子の解析について、40種類以上を同時に解析できるようになる。病気の原因や治療効果を短時間で詳細に分析することが可能になり、新たな治療法の開発も期待される。 9日、医大で新機器の内覧会が開かれた。機器はスタンダード・バイオツールズ社製で、組織内にあるたんぱく質や遺伝子の画像を同時に取得して可視化できる機能がある。従来は組織の一部を切り取って調べる方法だったが、全体像を解析できるようにもなる。がんや循環器疾患、神経疾患など幅広い病気について、基礎研究と臨床研究の両方に役立てられ、創薬研究に対しても有益な情報提供が可能になるという。 国内で唯一、機器を持っている利点を生かして、学内だけでなく学外の研究機関や企業との共同研究も視野に入れており、既に海外の大学との共同研究を進めている。 内覧会には医大の竹之下誠一理事長・学長と鈴木弘行教育研究担当理事、スタンダード・バイオツールズ社アジア太平洋地域担当副社長のクリス・ヤング氏が出席。竹之下理事長は「本学の理念である最新かつ高度な医学、看護学、保健科学を研究・創造していきたい」と述べた。
福島民友新聞