《ブラジル》「闇マネーの女王」ネウマ・コダマ=波乱の生涯がネットフリックスで
動画配信サービスのネットフリックスが20日、6月6日に全世界で公開予定の『ネウマ・コダマ: 闇マネーの女王(Doleira: A História de Nelma Kodama)』の公式予告動画とポスターを公開した。この作品は、サンパウロ州内陸部出身の元歯科医ネウマ・コダマ氏(57)が、ブラジル史に残る汚職事件の摘発捜査「ラヴァ・ジャット作戦」で逮捕された最初の女性となるまでの経緯を、刑務所出所後に彼女自らが語ったドキュメンタリーだ。この作品の見どころと、ネウマ氏の波瀾万丈な人生について、20日付メトロポレが紹介している。 ネウマ・コダマ氏は1996年10月12日、サンパウロ州タウバテ市にてイタリアと日本の血を引く一家に生まれた。彼女の人生は、常に挑戦と試練に立ち向かいながらも、贅の限りを尽くし、「愛、セックス、裏切り、そして数百万もの不正資金」のつながりで特徴づけられる。 この作品では、彼女のその特異な性格を活かし、それまで男性しか許されなかった政治交渉の領域に入り込み、巧みな話術を駆使して何百万レアルもの賄賂を提供した経緯が詳細に描かれている。 石油公社ペトロブラスのスキャンダル「ペトロロン」の象徴的人物であるネウマ氏は、2014年3月15日、パンティに20万ユーロの未申告の現金を隠し持って、イタリア行きの便に搭乗しようとしていたところを初めて逮捕された。 同氏は今日に至るまで現金を隠していたことを否定しており、下着の中ではなくポケットに入れていたと主張している。「下着の中にお金を隠しもった男性が捕まった事件があったから、次は女性による話がほしかったんでしょう」とネウマ氏は当時語っている。 逮捕時に彼女は、「この国は汚職を原動力にして動いていた。汚職が次の汚職を呼ぶ悪習の循環が切れたから、この国は不況に陥った」などと悪びれることもなく語ったことで、それまでの「日系人は真面目」との当地社会の固定観念を一変させて話題を呼んだ。 彼女は2億2100万レアルを資金洗浄したとして、当時のセルジオ・モロ連邦判事(当時、現上議)から懲役15年の判決を受けた。彼女はまた、91件の不正な為替操作によって520万レアルを国外に送金していた。 ネウマ氏はラヴァ・ジャット作戦の主犯格アルベルト・ユセフ氏の元恋人でもある。2019年、彼女の刑は、当時のミシェル・テメル大統領(民主運動・MDB)が2017年末に下したクリスマス恩赦のおかげで取り消された。 彼女は現在、自身のインスタグラムで約5500人のフォロー数を持つ。彼女のページでは現在、スタイルのヒント、旅行や美容整形の記録、そして愛犬プカとのひとときをシェアしている。