世界最大の原発、柏崎刈羽再稼働で軋轢-エネルギー問題緩和期待も
柏崎市の桜井雅浩市長はインタビューで、原発については「推進の立場に身を置くとは言ったことがない。あくまでも容認の立場」だと述べた。柏崎や日本全体のためにも他の代替エネルギーへの移行が可能になるまでは、原子力の利用を受け入れるべきだというスタンスだという。桜井氏は、柏崎刈羽の6、7号機の再稼働に価値があると認め、その他の原子炉に対しては1基以上の廃炉計画を明確にするよう、東電HDに求めた。
原子炉新設も
ブルームバーグNEFのアナリスト、オニール萬里子氏らは2月1日付のリポートで、政府の30年のエネルギーミックスにおける原子力比率20-22%という目標達成のためには認可待ちの全10基の原子炉を稼働させる必要があると指摘した。そして、これらの原子炉のほとんどは寿命が限られている。
同リポートでは今後10年以内に現在の原子炉の半分が認められた運転期間の期限を迎えるとの見通しを示し、政府は再稼働を加速させる以上のことをしなければならないだろうとした。
日本の電力会社は、原子炉の新設が必要と述べている。電気事業連合会の副会長が4月、政府に対して投資の指針となる明確な政策を求めた。
新潟市郊外に創業125年の酒蔵を構える笹口孝明氏(76)は、東北電力が原発建設を計画していた新潟県の巻町長を務めていた。笹口氏は仲間とともに計画の是非を問う住民投票を求める草の根運動に取り組んだ。その結果、住民の多くが反対票を投じ、03年に計画は廃案となった。
笹口氏は、柏崎刈羽の再稼働については新潟県民にも投票で決める権利が与えられるべきと考えているという。原発再稼働には「新潟県民全部の生命、 財産、 健康、 生活がかかっている」ため、知事や県議会だけで決められる問題ではなく「県民に信を問うべき」と話した。
10月再稼働予測も
しかし、再稼働に向けた動きは進んでいるようだ。経済産業省は3月に村瀬佳史エネルギー庁長官を派遣し、花角英世知事と再稼働について話した。