日本人には不要?必要?「グルテンフリー」を真面目に考える(専門家が監修)
小麦は主食ではなく嗜好品という考え方
ステーキランチを食べたせいで胃もたれがする。それはもしかするとステーキとともに食べたパンが胃で滞留しているせいかもしれない。あるいは未消化のグルテンが消化管に負荷をかけている可能性もある。 なんとなくの不調に悩まされているのなら、これまで当たり前のように口にしていた小麦製品から一度離れ、自分のカラダの声を聞いてみるという手も、またありだ。 「私が不調を訴える患者さんに薦めているのが“朝食にパンを食べない”ということ。まずはできることから始めて全体量を減らすことが大事です。現代人は明らかに小麦を食べ過ぎ。 お酒も飲み過ぎればカラダに悪いということが医学的に証明されていますが、うまく付き合えば健康を損なわずに済みます。それと同様に小麦などの穀物との付き合い方を考える時期が来ていると思います」 ホモ・サピエンスが誕生してからおよそ30万年。穀物との付き合いはほんの1万年。人類はまだ穀物初心者だ。それなのにいきなり小麦まみれの食生活をすれば無理が祟るのは当たり前。小麦はたまに楽しむ嗜好品として付き合うべし。
取材・文/石飛カノ(初出『Tarzan』No.871・2024年1月4日発売)