女子・祈りつなぐ輪 男子・聖火トーチに着想 金沢マラソントロフィー完成
●2種類お披露目 27日に行われる金沢マラソンで、男女の総合1~3位に贈られるトロフィーが完成し、9日、お披露目された。第10回の記念大会となる今年は、能登半島地震からの復興の願いを込めた「祈りをつなぐ輪」と、聖火リレーのトーチに着想を得た2種類を用意。制作に当たった若手作家は「石川全体が前に向かって進んでほしい」と語り、本番の盛り上がりを期待した。 トロフィーは毎年、金沢マラソン組織委員会が金沢卯辰山工芸工房に制作を依頼しており、今年は男子を染工房専門員の佐藤碧さん(29)=千葉県松戸市出身=、女子を陶芸工房専門員の大井真希さん(29)=富山市出身=がそれぞれ手掛けた。 大井さんは「地震で被災した県民の祈りをつなげたい」と輪の形に仕上げ、大会スローガン「MOVE FORWARD AS ONE(ともに前へ)」に合わせて疾走感などを表現した。 佐藤さんはマラソンから聖火リレーのトーチを連想してデザインを考案。友禅染の線描を用いて染色し、風を切って走るランナーの疾走感や躍動感が伝わるようにした。 佐藤さんと大井さんは9日、市役所で大会組織委員会長の村山卓市長に完成を報告した。佐藤さんは「トーチのように人の手でつないで石川の未来を紡ぎたい」、大井さんは「能登で被災された方を思い、未来へ一丸となって進んでいけるといい」と語った。 村山市長は「金沢の工芸の魅力を表現し、大会に花を添えてくれた」と感謝した。組織委は県や市、北國新聞社などで構成する。