「“3連覇を懸けて”みたいな意識ない」地元G1・高松宮記念杯競輪を連覇中の古性優作がシリーズ前に明かした胸中
■netkekirin連載コラム「ノンフィクション」高松宮記念杯開催記念特別インタビュー/古性優作 2023年は3度のGI制覇を果たし最優秀選手賞を獲得。また、22年23年と地元GI高松宮記念杯を連覇中の古性優作。今年も存在感たっぷりのレースで競輪ファンを魅了し勝利を重ね、賞金ランキングは現在2位に位置している。今回3連覇のかかる高松宮記念杯を前に、古性優作の現在地を探るべくインタビューを実施した。(取材・構成:netkeirin編集部 篠塚久)
勝率10割じゃない時点で
ーー今年は和歌山、松山、函館で記念(GIII)は3場所で優勝、ウィナーズカップ(GII)は準優勝、GIは全日本選抜決勝4着、日本選手権競輪は決勝3着の成績ですが、振り返ってみていかがでしょうか? 古性 ここまでは自分が思っているような成績を出せていないなという感じです。 ーー充実している成績に思うのですが、そうではないと。 古性 はい、自分の中では足りていない感覚です。 ーー以前、松山記念で優勝した時にも「自分は弱い、もっと強くなる必要がある」とコメントを残していました。 古性 ありましたね。 ーーシリーズを制してなお、課題と向き合う姿に“ストイック”という言葉を連想しつつ、『優勝という結果を残し、十分に強さを証明したのでは?』とも思ったんです。古性選手の評価基準は違うところにあるのでしょうか? 古性 違うところにありますね。今の話で言うなら、周りの方はその時の“優勝した僕”という一点を見て評価していただけたと思うんですけど、僕は点ではなくて「もっと強くなりたいと思って進んでいる道の上」で自分を評価しているので。到達したかった・しておきたかった強さのレベルに至ってなければ、自分に対して力不足を感じているでしょうね。 ーーなるほど。 古性 でも僕自身と周りの方やと当たり前に目線が違うし、感じ方に差が生じるのは自然なことやと思いますね。常にもっと強くなりたいと思っているので、ずっと満足できない感覚を持ち続けているんです。この感覚は当面続くんかなぁ、とは考えていますね。 ーーどのレベルに到達したら満足できると思いますか? 古性 わからないです。でも、それこそ1月~12月の1年間トータル1着で勝率10割やったら「ええな」と満足に思います(笑)。勝率10割じゃない時点で、お客さんに車券を買ってもらっている以上は満足できない。僕が満足してしまったらお客さんにも納得してもらえないんじゃないかなとも思います。 ーー勝率10割ですか。 古性 出るレース全部勝ったらどんな気持ちになるんかなぁ。そうなってみないとわからんすね。興味がある。