「“3連覇を懸けて”みたいな意識ない」地元G1・高松宮記念杯競輪を連覇中の古性優作がシリーズ前に明かした胸中
目的のためじゃなく「天然温泉」みたいなもの
ーー日本選手権競輪の前にナショナルチームの練習に参加したと聞きました。 古性 日本から「世界で一番」を目指しているチームの中に入れてもらって、ホンモノを見させてもらいました。僕は日本一を本気で目指しているんですけど、ナショナルチームは世界一を本気で目指していました。設定の時点でスケールが違うんやな、と学びました。一方で、世界で戦ってきたナショナルチームの選手が日本の競輪に戻ってきた時に僕が苦労する、とも感じましたね。なので、自分も世界一を目指すくらいのつもりでやらな、と気持ちが入りましたし、良い経験をさせてもらいました。 ーー今もうすでに徹底的にスケジュール管理をして追い込んでいると思いますが、さらに上の気持ちでやっていくということでしょうか。 古性 ほんまにそうです。ナショナルチームの中に入れてもらってホンモノに触れることで実感しました。もっとやらなって思ってます。 ーー古性選手のそのストイックさの原動力はどこにあるのでしょうか? 古性 ただ強くなりたいだけです。原動力みたいなモンが何なのかは思い浮かびません。タイトルだったり欲しいものだったりのために頑張るとかでもないし、そういう次元、そういう問題じゃない感じがありまして。強くなりたい気持ちが天然温泉みたいに湧き続けてくるんですよ(笑)。 ーー天然温泉ですか(笑) 古性 そうです。だからそもそも頑張るって感じでもないですし、強くなりたい気持ちが自然に湧き続けているから、やるべきことをやっているだけって感覚です。原動力とかモチベーションを聞かれると、「天然温泉は何を理由に何を目的に湧く?」と聞かれているみたいな難しさがあります。「それは自然に…」としか言いようがないわけで(笑)。 ーーたしかにそうなりますね。古性選手は競輪選手になる前にBMXに乗っていましたが、その時から天然温泉の感覚なのでしょうか? 古性 その時から変わらずの感覚ではあるんですけど、年々強くなりたい気持ちは大きくなっていますね。デビューしてから今まで成績の部分ではずっと伸ばして来れたと思ってるんですけど、上がれば上がるほど、その先が見てみたくなっています。次はどんなんかな?って。もっと、もっとって。その結果、自転車に対する意識も年々上がっているし、もっと先を見たいからこそ、満足できない感覚も絶えないですね。 ーー年々“その先”を見たくなるということですが、それを一番強く感じたターニングポイントはありますか? 湧き上がる気持ちが一層激しくなったポイントという意味で。 古性 はじめてGIタイトルを獲得した時です。もっと先を知りたくなりました。このタイミングが一番強くなりたい気持ちが大きくなった時やと思います。タイトルを獲得しての達成感とか満足感はまるでなくて、先に行きたい気持ちが強くなったというか。