尖閣諸島の国有化から3年 政府の現在の対応は?
政府による情報発信や外交アピール
他方で、中国は尖閣諸島が自国の領土であるとの主張を取り下げていません。最近は、自国の主張を7か国語に翻訳して国際社会に訴えかけています。中国のPR作戦が、どこまで効力を発揮しているのか現段階ではわかりませんが、日本政府も傍観しているわけではありません。 「政府はインターネットでの情報発信をはじめ、国際シンポジウムなどでも尖閣諸島が我が国の領土であることを主張しています。また、領土担当大臣が各国首脳を訪れて理解を求めるといった外交にも力を入れています。そのほか、歴史的立場から正当性を主張するために尖閣諸島に関する文献・新聞記事のデジタルアーカイブ化を進めているほか、領土・主権に関する論文を英訳して世界各国にも継続して訴えています」(内閣官房領土・主権対策企画調整室) 国有化から3年が経過しましたが、尖閣諸島問題で政治がやらなければならない課題は山積しています。国有化で解決したわけではないのです。 (小川裕夫=フリーランスライター)