阪神・ドラ3木下 営業スマイル投法だ「調子が上がってくると笑う」 最速156キロの直球売り込む
笑顔がキュートな速球派が阪神に加わる。ドラフト3位指名を受けたKMGホールディングス・木下里都投手(23)が2日、福岡市内の同社で畑山俊二統括スカウト、担当の前田忠節スカウトらから指名あいさつを受けた。「調子が上がってくると、笑ったりします。逆に淡々と投げているときは乗り切れていない感じ」という右腕。プロでもポーカーフェースではなく、“スマイル投法”で打者を圧倒する構えだ。 「自動車と違って、野球は自分自身を売り込む。笑顔で投げる姿はお客さんも楽しいと思うし、活躍して、応援してもらえる選手になりたい」 笑顔の原点は、社業にある。KMGホールディングスでは自動車販売営業マンとして店舗で顧客の接客などを行う。モットーは“笑顔”。「お客さまの印象は大切。常に笑顔で対応するように心がけています」。地道な営業活動で培ったスマイルを、今後はプロのマウンド上から“お客さま”に披露する算段だ。 試合で笑うため、たゆまぬ努力を続けてきた。出勤日は午前9時に出社し、午後6時まで勤務。昼休憩の合間や終業後にジムへ通うなど鍛錬を積み、直球の最速は福岡大時代の149キロから156キロまで引き上げた。 扱う“商品”は、自分自身に変わる。藤川監督には、「自然に曲がる」というカット気味の速球を売り込むつもりだ。「156キロで手元で動けば打者も打ちづらいはず」。その成約の先に1年目からの飛躍、そして一大目標を見据える。「近い目標は開幕1軍。いずれは日本最速を出せるようになりたい」。プロ野球最速166キロ、日本投手最速165キロ…掲げた数字を達成してみせる。(松本 航亮) ○…担当の前田忠節スカウトは、木下を「和製ゲラ」と評した。最速156キロの直球にカットボール、スライダーを得意球とする右腕には「短いイニングの方が適性なのかな」と中継ぎ適性を見いだしており、そのイメージとして今季59試合登板で防御率1.55の助っ投を重ね合わせた上で「フォークの精度が上がってくれば将来的に抑えも考えられる。いろんな投手から吸収すれば、もっといいものを見せてくれるはず」と大きな期待を寄せた。