「松本さんの先見の明に驚愕…」『銀河鉄道999』に登場する令和にも通用しそうな「魅力アイテム」
■材料は不明だけど美味しそう!?「合成ラーメン」
999号の旅では、宇宙鉄道の分岐点の駅も登場する。コミックス5巻「トレーダー分岐点」でのエピソードで「トレーダー」という駅に降り立った鉄郎とメーテルはラーメンを食べるのだが、ここで登場したのが“合成ラーメン”というワードだ。 レストラン街でラーメンが食べたいという鉄郎。レジにいた主人に対し、メーテルは「ここのラーメンは合成ラーメン?」と尋ねる。すると主人は気まずそうに「そうだよ、うん……」と答えるものの、「大きな声じゃいえんが、じつは密輸品の本物ラーメンなの。倍うまいんだよ!!」と耳打ちしている。それを聞いたメーテルは「それはいいわ、じゃラーメンライスふたつ」と、注文するのであった。 この会話に出てくる“合成ラーメン”が何でできているのかは、明言されていない。だが、“本物ラーメン”があるということは、本物を真似て作られた“ラーメンのような食べ物”であることが推測される。 とくに令和の時代、ラーメンの材料は実に多岐にわたるため、どれが合成であるかと定義することは難しいだろう。だが、基本的にラーメンは小麦とかん水で作られるため、コンニャクなどを材料にした低糖質麺などは、合成ラーメンに近いのではないだろうか。 近年では地球温暖化の影響もあり、作物に影響が出ている。もしかするとラーメンの原材料である小麦が希少となる時代がやってきて、合成ラーメンが主流になる日が来るかもしれない。 合成ラーメンも美味しいかもしれないが、やっぱり王道のラーメンはずっと食べ続けたい……。本エピソードで描かれているような未来が来ないことを願うばかりである。
■未来のエネルギーを見越した描写「液体水素」
コミックス4巻「二重惑星のラーラ」というストーリーで「完全機械化」という駅に降り立った鉄郎とメーテル。 この星は、生身の体の人間は誰一人いない機械化人ばかりの星であった。街並みは機械の部品のような通りが並び、噴水はオイルでできている。水飲み場はあるものの、そこから湧き出る水は爆発しないように調整した液体水素であった。 その後、飲食店に入った2人。鉄郎は提供された飲み物をストローで飲むのだが、直後に爆発してしまう。なんと飲料は液体水素であり、人間の鉄郎の体では消化できず爆発してしまったのだ。 このエピソードから、本作に登場する機械人間に必要なエネルギーは液体水素だということが分かる。 液体水素は、現在においてもロケットの打ち上げなどに利用されているエネルギーだ。また水素エネルギーは燃焼してもCO2を排出しないことから、環境にやさしいエネルギーとして注目されている。しかし、静電気などわずかな火元でも爆発してしまうというリスクをはらんでいる。 『銀河鉄道999』ではそんな液体水素を作中にたくさん登場させ、鉄郎が口に含んだとたん爆発する描写も含め、リスクについても提示している。当時としては非常に先進的なアイデアで描かれたストーリーと言えるだろう。 このように『銀河鉄道999』には、現代社会にも通用しそうなアイテムがたくさん登場している。なかには、上述した「食品保温プレート」のように、似た商品が生まれているのも事実だ。 そう考えると、いつの日か999号のような“宇宙を走る列車”に乗れる日が来るのかもしれない。科学技術が進化するなか、その可能性は決してないとは言い切れないだろう。そんな夢のような未来を、この目でぜひ見てみたいと思ってしまう。
でかいペンギン