スタートから4ヵ月 物流・運送業界の2024年問題の現状と課題
90年代の規制緩和以前に戻ることは可能か
飯田)90年代に規制が緩和され、そこから安値への競争になったという話も聞きますけれど、ようやくそこが巻き戻るということですか? 坂田)90年代の規制緩和で、運送会社の数は約4万3000社から6万社以上になりました。約1.6倍なので、当然過当競争に陥ります。なので、失われた30年間というのを、ここにきて躍起になって取り戻そうとしているというのが、いまの政府の対策だと考えています。
積載効率を上げるために展開される新たな対策
飯田)従来の、業界ごとに運ぶものが決まっている業務形態ではやっていけないという判断が、混載等が広がっている要因ですか? 坂田)いまトラックというのは、3台いたら2台は空車で走っているような状態です。積載効率が、平均で38%くらいと言われていて、これを倍にしてしまえば、倍の荷物を運べます。ただ、それを1社、あるいは1つの業界だけでまかなうのは、なかなか難しいです。 飯田)そのあたりの全体の調整をおこなう仕組みを、いまは民間同士で模索している段階なのですね。そのあたりのコーディネートを行う専門会社などが出てきてもおもしろいかも知れません。 坂田)実際に出てきている動きもあるのですが、現状に対してなかなか対策が追い付いておりません。