ヤマハが「次世代EVスポーツカー」に高出力モーター搭載へ 英ケータハムと提携 試作車は来年完成予定
長期の「話し合い」が結んだ協業
ヤマハ発動機は10月2日、英国のケータハムの次世代スポーツカー「プロジェクトV」向けに電動パワートレインを開発すると発表した。2025年半ばまでにプロトタイプ車両の製作を目指す。 【写真】英国EVスポーツカーに「日本の技術」導入!【ケータハム・プロジェクトVコンセプトを写真で見る】 (29枚) プロジェクトVは昨年コンセプトモデルが発表された2+1の3人乗りクーペで、目標価格は8万ポンド(約1500万円)以下とされる。ヤマハはパワートレイン主要部の「eアクスル」を独自開発し、「車両の運動制御においても当社の技術や知見を提供」するとしている。 パワートレインの詳細はまだ公表されていないが、コンセプトモデルでは1基の電気モーターで最高出力272ps(200kW)を発生し、0-100km/h4.5秒以下と謳われた。 ヤマハはすでに自動車用モーターを開発しており、高効率の導体と「これまでのエンジン開発で培った」知見により、「業界最高レベルの出力密度を実現する」と説明している。 注目すべきは、1基あたり272ps(プロジェクトVコンセプトと一致)を発生する4基の高出力モーターを、スバルのコンセプトカー「STI E-RA」に搭載していることだ。同車の合計出力1088psに達し、ニュルブルクリンクのラップタイム6分40秒を目標としている。 また、ヤマハは最近、ローラ・フォーミュラEチームのテクニカル・パートナーとなり、12月から始まる第11シーズンでデビューを飾る予定だ。 ケータハムのボブ・レイシュリー最高経営責任者(CEO)はAUTOCARの取材に対し、次のように語った。 「ご想像の通り、ヤマハのようなグローバル企業は、綿密な議論や検討なしに決断を下すことはありません。プロジェクトVに関する話し合いは、長い時間をかけて熟成されてきました。彼らと一緒に仕事ができることを非常に光栄に思っており、今日このような発表ができることはケータハムブランドにとって素晴らしいニュースです」 「他の選択肢ではなく、なぜヤマハだったかというと、ヤマハにはOEMを技術面でサポートしてきた長い実績があり、二輪車事業を通じて重量最適化の必要性を明確に理解しているからです。最終的には、双方の合意による決定となりました」