厳しい財源で工夫凝らす タコさん滑り台発祥の地・足立区の公園づくりとは
7月19日、気象庁は関東地方の梅雨明けを発表しました。7月に入ってから太陽が照り付ける日々が続いていましたが、これから本格的な暑さが到来しそうです。そんな暑い中でも、子供たちは元気を持て余しています。東京の小中学校では夏休みに入り、午前中から公園で子供たちが遊んでいる姿を目にします。 近年、東京都の公園は多くの制約によって自由に遊べなくなったり、国家戦略特区によって園内に保育所の設置が認められたりするなど変化に直面しています。時代の変化とともに姿や役割を変える公園ですが、それらを所管する行政も公園に対するスタンスを変えています。 東京・足立区は2013(平成25)年度から、魅力ある地域の公園づくりに乗り出しています。同事業はパークイノベーションと呼ばれる政策です。足立区が取り組むパークイノベーションとは、一体、どのような政策なのでしょうか?
夏の公園で人気「じゃぶじゃぶ池」 人件費、メンテナンスなど財政面が問題
夏の炎天下、小さな子供たちから絶大な人気を誇っている公園施設が、じゃぶじゃぶ池です。じゃぶじゃぶ池とは水深30センチ程度の水遊び場で、自治体によって利用できる年齢が異なります。おおむねオムツが取れた3歳児から小学校低学年までを対象にした簡易・小型版のプールです。 今般、都内の区立公園でじゃぶじゃぶ池が設置されている公園は珍しくありません。区立公園にじゃぶじゃぶ池が開設されるようになったきっかけは、都立公園に比べて区立公園は敷地面積が小さくなってしまうために、本格的なプールを開設するスペースが捻出できないからです。そうした事情から代替施設としてじゃぶじゃぶ池が整備されるようになりました。 じゃぶじゃぶ池が人気を博すようになると、敷地面積の広い都立公園でもじゃぶじゃぶ池が開設されていくようになります。 人口68万人を抱える足立区には、22の区立公園でじゃぶじゃぶ池を開設しています。しかし、足立区には多くの区立公園があり、じゃぶじゃぶ池が開設されていない公園も多くあります。公園のスペース的な問題以外にも、財政的な問題もあります。 「じゃぶじゃぶ池はスタッフを置くための人件費や水道代のほか、水質管理にも多大な費用がかかります」と話すのは足立区都市建設部みどりと公園推進室の担当者です。 「今般、行政はどこも財政が逼迫しています。だから、どこの公園にもじゃぶじゃぶ池を開設することはできません。区内全域にバランスよく配置しています。また、じゃぶじゃぶ池は定期的に点検作業をおこなわなければならないので、週に1日はお休みになります。点検日が地域で偏らないようにし、仮にじゃぶじゃぶ池が点検日にあたっても近所のほかの公園は利用できるようにしています」(同)。