クルーズ初心者が、いきなり超豪華船「シルバー・ムーン」で別世界を体験してみた
「これを経験したら、もう他の船には乗れませんよ!」
乗船客は、旅慣れていそうな富裕層の夫婦や家族連れが多い。とはいえ、前述のように船内は“外国”、不自由は感じないのだろうか? いやいや、そこは痒いところに手が届くジャパネット、初日に何度も「乗船説明会」を開き、クルーズライフからマナーに至るまで解説してくれるので安心だ。私も夕方5時からDECK5のドルチェヴィータで開催された説明会に参加した。冷えた生ビールとおつまみをいただきつつ……。だって席につくなり、ボーイさんが「お飲み物はいかがですか?」と聞いてくれるんだもの! 毎夕、次の寄港地情報や翌日のドレスコードが掲載された船内新聞「クロニクルズ」のほか、オプショナルツアーの案内やタイムリーな船内情報を載せた独自の「ジャパネットクルーズ通信」も部屋に届けられる。英語が苦手でもほとんど不自由がないのだ。 ドルチェヴィータで知り合いの旅行ジャーナリストと顔を合わせた。彼女はクルーズ歴20回以上のベテランだ。世界中を船旅してきた彼女が言う。 「初めてのクルージングで、いきなり世界最高峰のシルバームーンとはラッキーですね。手頃な価格帯のクルーズは基本的な食事は無料でも、アルコールやその他サービスには追加料金がかかるのがふつう。しかし、シルバームーンはオールインクルーシブ。お部屋も豪華で快適だし、チップ不要の専用バトラーもいるので、貴族のようにくつろげるんです。これを経験したら、もう他の船には乗れなくなりますよ!」 たしかに! ジャパネットグループは2017年からクルーズ旅行業に本格参入し、これまでMSCベリッシマなどの超大型船もチャーターしてきたが、それらは20万円台~と、かなりリーズナブルなものだった。しかし今回、同社はリピーターや旅の上級者向けに、ホンモノ中のホンモノを用意した。その魅力は、クルーズ初心者の私にもハッキリ感じ取れるものだ。だって乗船まもなく、「今度はお金をためて、年老いた母を連れてこよう」と決意したくらいだから。 そして初日の夕食は、ジャパネットのオリジナル企画、東京・新宿区荒木町の予約が取れない和食店「鈴なり」が特別出店したDECK4のレストランで、同店のスペシャリテ「生うにの玉地蒸し」や「鰹あぶり造り」(上写真)、「豚のソテー 竹の子と小松菜浸し」などにワインを合わせて堪能し、翌朝はルームサービスを頼んでみた(下写真)。 朝食ルームサービスの注文は、希望メニューをオーダー票に記入して、その日の午前2時までに部屋前のポストに入れておけばOK。飲み物はコーヒー、紅茶の種類はもちろん、つけ合わせのミルクも全乳、脱脂乳、豆乳、アーモンドミルクなどからオーダーできるし、ジュースもオレンジ、グレープフルーツはじめ、クランベリーや「果物と野菜のバイタミックス」など9種類からいくつ選んでもいい。 パン&ベーカリー類も15種、フルーツも盛り合わせ含め7種、卵料理はスクランブル、目玉焼き、ゆで卵はもちろん、ベーコン3種類はつけるか? トマトのグリルはどうだ? いや、いっそオムレツにしたらどうだ? 具はハム、チーズ、キノコ、オニオン、パプリカ、ハーブがあるがどうする? とたたみかけてくるようなオーダー票で、要は船に積んであるものなら何だって対応、料理してくれるのだ。 で、朝7時半。マイバトラーと客室係がコーヒーポットとフランスパン、全部入りオムレツ、フルーツ盛り合わせを美しい食器類とともにうやうやしく運んできてくれた(上写真)。ベランダ越しに真っ青な海と空を眺めながら、優雅に朝食を摂る。これが最高でなくて何だろうか! ──次回はお待ちかね(? )、食事とエンターテインメントについてお伝えします。 Text & Photo:T.Funakawa(FRaU)
FRaU編集部