日銀・黒田総裁会見12月20日(全文1)「緩やかな回復基調を続けている」
足元の円安進行は”%の物価上昇目標達成時期にどのような影響を与えるのか?
共同通信:2問目です。アメリカの大統領選以降、足元で大幅な円安が進んでいます。この輸入物価の上昇などを通じて物価には押し上げ方向に働くと思われますが、2018年度ごろと見込んでいる2%の物価上昇目標の達成時期などへの影響をどのようにご覧になりますか。 黒田:一般的に、円安は輸入物価の上昇を通じて直接的に物価の押し上げ要因として作用するということは、そのとおりでありますし、また、やや長い目で見ますと、需給ギャップや予想物価上昇率の改善などを通じて間接的に物価に影響する経路も考えられます。わが国の景気や物価の先行きの見通しにつきましては、今後の金融市場の動向も踏まえつつ、次回の決定会合で十分議論して、展望レポートでお示しすることになるというふうに思います。
株価は堅調だが6兆円のETFの買い入れは縮小を検討するのか?
共同通信:それから同じく大統領選後、株価も先週末まで7日連続で終値の年初来高値を更新するなど堅調な状態が続いています。市場への過度な介入との批判もある6兆円のETFの買い入れですが、これはまだ必要なのか。またどういう状況になれば縮小を検討できるのか、お考えをお聞かせください。 黒田:これは日本銀行によるETFの買い入れということは量的・質的金融緩和の枠組みの1つの要素でありまして、資産価格のプレミアムに働き掛ける観点から行っておりまして、ご案内のとおり特定の株価水準を念頭に置いて実施しているものではありません。従いましてETFの買い入れにつきましても2%の物価安定の目標をできるだけ早期に実現するために必要な政策であるというふうに考えており、今回も現行の買い入れ方針を維持するということにしたわけであります。先行きにつきましては経済・物価・金融情勢を踏まえて金融政策決定会合において適切に判断していくことになるというふうに思います。 共同通信:ありがとうございます。各社お願いします。 【連載】日銀・黒田総裁会見2016年12月20日 全文2へ続く