後輩の前座試合に「鳥肌が立つぐらいドキドキした」思い出の地でアビスパ福岡・小田逸稀が存在感 警告受けた仲間カバー
◆明治安田J1第32節 鳥栖0―0福岡(28日、駅前不動産スタジアム) 右ウイングバックで出場したアビスパ福岡の小田逸稀(26)が、思い入れのあるスタジアムで無失点に貢献した。 ■報道陣に囲まれ監督退任について語る【写真】 自陣ペナルティーエリア内で待ち構えていた鳥栖・富樫敬真へのクロスボールを再三クリア。その他の場面でも主に得意の空中戦で鳥栖の攻撃陣を寄せ付けなかった。 センターバックの田代雅也が前半4分に警告を受け、同33分には同じ右サイドでプレーしていた紺野和也も警告を受けていた。小田は「紺ちゃんもタシ君(田代)もイエローをもらってあまり行けなくなっている印象があった。(田代や紺野が)最終手段としてファウルで止めなくてもいいように、しっかりカバーした」と納得の表情を浮かべた。 鳥栖U―15(15歳以下)唐津に在籍していた佐賀県唐津市出身の小田にとって、駅前不動産スタジアムは憧れた〝聖地〟。さらに試合前には、自身が所属していた唐津FCが前座試合を行っていた。「僕も昔、こうやって前座試合をして、その後に試合を見てサガン鳥栖に憧れた。だからウオーミングアップのときは鳥肌が立つぐらいドキドキした」と明かす。それでも試合では福岡サポーターの声援に後押しされつつ「余裕を持ってプレーできた」と振り返った。 守備には一定の手応えをつかんだが、チームが4戦連続で無得点に終わった攻撃には納得していない。後半20分に右サイドからピンポイントでザヘディの頭に合わせるクロスボールを供給したものの「5本ぐらい上げて、成功したのが1本ぐらいだった。ボールを持ったらクロスを上げる意識まではいい。後は5分の3、4回は成功していたら勝てたと思うので、反省して修正したい」と重く受け止める。9月無得点に終わった福岡の攻撃にとって、クロスボールは生命線。決定機を生み出した右足の精度を高めていく。(末継智章)