北朝鮮、韓国軍の無人機を回収「領空侵犯の物証」と主張 写真も公開
【ソウル=桜井紀雄】北朝鮮国防省報道官は、韓国から飛来して墜落した無人機を平壌市内で13日に発見、回収したと主張した。韓国軍が「遠距離偵察用小型ドローン(無人機)」として配備している機種と同一だとの判断も示した。朝鮮中央通信が19日報じ、回収したとする機体の写真を公開した。 北朝鮮は、韓国が今月3回にわたり無人機で平壌上空を侵犯したと主張してきた。報道官は、北朝鮮の主権侵害の「決定的物証」だとし、侵犯行為を再び発見した時には「宣戦布告とみなして即時、報復攻撃が加えられる」と警告した。 平壌や軍事境界線付近の監視体制強化が指示され、境界付近の部隊の戦闘待機態勢の維持も決まったとしている。北朝鮮は憲法で韓国を「敵対国家」と規定したとし、対決姿勢を強めている。 北朝鮮は、回収した無人機は今月1日の韓国軍の記念行事で公開された機種と同一だとし、電池の放電状態などから5~7日は使われたと分析。北朝鮮の体制を批判するビラの散布に利用した可能性が高いと主張した。 金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記の妹、金与正(ヨジョン)党副部長は15日、「韓国軍が挑発行為の主犯だという明白な証拠を確保した」とする談話を発表していた。 一方、北朝鮮の社会安全省は18日夜、軍事境界線に近い地域で同日、韓国から大型風船で散布された「汚物」を発見し、焼却したと発表した。金正恩体制に反対する韓国の団体からの援助物資だったとみられる。