勝どき、晴海フラッグ…タワマンに群がるのは世帯年収1,500万~2,000万円の小金持ち?〈真の富裕層〉がタワマンを選ばないワケ
コンクリ強度不足の問題をかき消す、すさまじい人気ぶり
パークタワー勝どきの登場で周辺相場は爆発的に上がったが、世間の目はすでに、「ポスト・パークタワー勝どき」探しに入っている。次に勝どきエリアで注目されているのは、ラグジュアリーな外観で評判が集まる「ザ豊海タワーマリン&スカイ」だ。コンクリート強度に不足があったとして、今年の上半期に予定していた販売が後ろ倒しになっている。 地震のリスクが大きいタワマンにとって、強度の問題は致命的と思われるが、いざ実際に販売が始まると、世間はどう反応するのだろうか? 海外投資家に好まれそうな外観なので、人気が殺到しそうだとの声もあり、好条件の部屋はかなり高い倍率になるのではないかとの予想もある。 実際のところ、「ザ豊海タワーマリン&スカイ」のモデルルーム見学予約のホームページはアクセス殺到によって、サーバーダウンという、前代未聞のアクシデントがあったほどなので、人気の部屋は数十倍から、下手すると100倍以上の部屋があっても不思議ではない。 これだけ価格が上がり続けているのは、資産価値が認められている証拠ともいえるが、実際のところはどうなのだろうか。
なぜ多くの人はタワマンに憧れるのか
「地震でエレベーターが止まったら、高層階まで階段で歩かないといけない」「災害で電源が落ちたら、トイレの水も流せない」「エレベーター渋滞で部屋からエントランスまで5分かかる」こんなデメリットが広く知られているなか、なぜタワマンにみんなは住みたがるのか。 ひとり暮らしなら自分が我慢すればいいだけだが、パートナーや子どもにこのデメリットを受容させるのはどうなのかという声もある。 購入する人の多くは「リセールバリュー」を理由に、資産性の高さを強調するが、いちばん大きいのは「タワマン住み」というステータス欲しさなのかもしれない。 「年収1,500万円」「資産1億円」をそのまま口に出して自慢することはできないが、タワマンに住んでいるという事実を伝えるだけで、優越感に酔いしれることができる。圧倒的な存在感のある外観、超高級ホテルのようなエントランス、ジムやパーティルームのような豪華な共用施設。 まるでこれらが全部自分のものであるように感じられ、麻布に豪華な門を構える大豪邸の主のような気分で、毎日家を出入りできるのだ。 しかし残念ながら、外観やエントランスは所詮「共用部」。自分の所有物でもなければ、自由にできるわけでもない。部屋から一望できる大パノラマに酔いしれるのも、せいぜい数ヵ月といったところか。 実際にタワマンに飽きてしまって、低層マンションに移住する富裕層も多いと聞く。東京タワーや綺麗な夜景も、見慣れてしまうと感動もしなくなってしまうのだとか。そうなってしまうと、忘れ物したときに戻る時間など、デメリットのほうが大きく感じてしまうのだろう。