河合優実『ナミビアの砂漠』のカンヌ選出を予見「この映画は羽が生えて羽ばたいていく」
山中瑤子監督、俳優の河合優実主演の映画『ナミビアの砂漠』が14日、東京・ヒューマントラストシネマ渋谷で開催中の「カンヌ監督週間 in Tokio」で上映された。2人はカンヌ映画祭監督週間のアーティスティックディレクターのジュリアン・レジ氏と上映後にトークショーを行った。 河合優実『ナミビアの砂漠』のカンヌ選出を予見「この映画は羽が生えて羽ばたいていく」
今年の同部門に出品され、女性監督としては史上最年少で国際映画批評家連盟賞を受賞。その後も各国の映画祭で上映され、山中監督は「カンヌから、いい出会いと旅をもたらしてくれて感謝しています」としみじみ話した。 当初は河合主演で別の企画を進めていたが頓挫。山中監督が「脚本を書く時にマインドマップのようなものを大きな紙に書くのですが、3年映画を撮っていなかったのでその分の問題提起や意識がたまっていたので、それをまとめたらこうなった」のが『ナミビアの砂漠』だ。生きる希望を見いだせない主人公の女性が、自身の居場所を見つけようと模索する姿を描く。
レジ氏は「見た途端に好きになった。日本の都市部に住む若者像が素晴らしかった。これは日本に限らず、世界の新しい若者像だと思った」と感想。ジョン・カサヴェテス監督の1974年『こわれゆく女』や諏訪敦彦監督の1997年『2/デュオ』などを想起したという。 カンヌへの出品の一報を受け、河合は「ドキドキしながら待っていたので、素直にガッツポーズ。跳び上がるくらいの喜びでした」と笑顔。その上で、「映画祭を目指すことが出発点ではなかったけれど、撮影で最後のシーンを撮り終えた際、この映画は羽が生えて遠くまで羽ばたいていく予感がした。正夢みたいになりました」とうれしそうに明かした。 取材/記事:The Hollywood Reporter 特派員 鈴木元