「大学路のリーダー」金敏基氏が死去 「地下鉄1号線」演出=韓国
【ソウル聯合ニュース】韓国ソウル・大学路を象徴する小劇場「HAKCHON」を30年余り運営し、多くの後輩芸術家を育てた歌手で劇作家の金敏基(キム・ミンギ)氏が21日、胃がんのため死去した。73歳だった。金氏のおいで、HAKCHONの運営に携わっていたキム・ソンミン氏が22日に開いた記者会見で伝えた。 キム氏によると故人は3~4か月前から家族や親しい人たちに感謝の言葉を伝え、HAKCHONについては「今終わらせるのが正しい。私はやるだけやった」と話していたという。 1991年に開設されたHAKCHONは今年3月に閉館した。 金敏基氏は1951年に全羅北道(現全北特別自治道)の益山で10人きょうだいの末っ子として生まれた。1969年にソウル大の絵画学科に入学したものの、画一的な授業方式に嫌気がさし、1年生の1学期を終えた後、高校の同窓生とフォークソングデュオを結成して活動を始めた。1970年には後に自身の代表曲となった「朝露」を作曲した。ヤン・ヒウンが歌う「朝露」は大学生の間で広まり、民主化運動を象徴する曲となった。 1991年にオープンしたHAKCHONは多くのスターを輩出した。特に同劇場で1000回以上のライブを開いた故キム・グァンソクは、同劇場から出た最高のスターだった。そのほかにもクォン・ジンウォン、ナ・ユンソン、ユン・ドヒョン、チョン・ジェイルなどの音楽家が同劇場出身として知られている。 1994年に初演されたロックミュージカル「地下鉄1号線」は、韓国ミュージカルの歴史において記念碑的作品として残っている。同作は金敏基氏がドイツの原作を韓国に合わせて翻案。2023年まで8000回以上公演され、70万人を超える観客を集めた。 故人は「地下鉄1号線」の公演が4000回目となった2008年を劇場の歴史で最も意味のある瞬間に挙げた。同作はソル・ギョング、キム・ユンソク、ファン・ジョンミン、チャン・ヒョンソン、チョ・スンウなどの俳優を輩出した。 慢性的な財政難に苦しみながらも数々の公演を行い、大学路の公演文化をリードした。 ほかに「義兄弟」で、2001年に百想芸術大賞演劇部門で大賞と演出賞を受賞。「地下鉄1号線」では韓国とドイツの文化交流に寄与した功績が認められ、ドイツ政府から「ゲーテ・メダル」を授与された。
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