売上高2倍を目指す「ソフィーナiP」 スキンケアの“名脇役”から主役への道のり
スキンケアの3ステップに食い込む
花王は「ソフィーナ iP」の売上高を2027年に2倍(22年対比、出荷金額ベース)とすることを掲げている。ただ、シミ予防以外のニーズや競合商品が年々増えるにつれ、“ベースケア セラム”を入り口とした新客獲得の伸びは、当初と比べれば鈍化している。今後は、土台美容液のイメージが強すぎたがゆえの一本足打法から脱却し、ベーシックなスキンケアの3ステップ(化粧水、乳液、美容液&クリーム)に食い込んでいけるかがカギになる。この1年での新商品の大幅拡充の狙いもそこにあるのだろう。
“ゴールデンタイムリペア 深夜浸透クリーム”の発売により、クリームを使ったスキンケア習慣になじみのある海外客の取り込みも期待できそうだ。ただアジア圏を中心とした海外展開もにらんではいるものの、インバウンド客の需要も現状は限定的であり、まずは日本人客にプライオリティーを置いた販売戦略を練る。南部有俊 iP/SOFINAグループシニアマーケターは、「サイエンスをベースとした機能性やエイジングケアニーズへのアプローチで、売り上げのパイを着実に増やしていきたい」と話す。