韓国の戒厳令が韓米の同盟関係に与える試練、尹錫悦大統領の数少ない外交成果に影響も
アメリカの『ニューヨークタイムズ』紙は「尹大統領が戒厳令を宣布し、アメリカの韓国との同盟関係が数十年ぶりの大きな試練を迎えている。民主主義の促進を最優先順位としてきたバイデン大統領にとって、今回の事態は苦痛を感じるものだろう」と指摘した。 トランプ次期政権との関係にも悪い材料になりうるとの見方も出ている。トランプ氏はまだ今回の事態に対する立場を表明していないが、彼の側近であるイーロン・マスク氏はSNSのX(元ツイッター)に、「衝撃的だ」との反応を示した。
一方、韓国の最大野党「共に民主党」と同じく野党の祖国革新党、改革新党、進歩党、基本所得党、社会民主党などの野党6党は、12月4日に尹大統領の弾劾訴追案を国会に提出した。 共に民主党のキム・ヨンミン議員と祖国革新党のファン・ウンハ院内代表らは、12月4日午後に国会に弾劾訴追案を提出した。弾劾訴追案の発議には与党「国民の力」所属議員を除く、野党側191人全員が賛同した。 共に民主党などは12月4日に弾劾訴追案が本会議で報告されるようにした後、12月6日、あるいは7日に採決する計画だ。
弾劾訴追案を発議したのは、尹大統領による戒厳令がそのために必要などのような与件も満たしていないとし、憲法と法律に違反したまま戒厳令を宣布したことは国民主権主義と権力分立の原則などに違反したということを理由として挙げている。 ■大統領の弾劾訴追案が提出 前出のキム・ヨンミン議員は「戒厳令とそれに至る内乱行為をどうしても見過ごすわけにはいかない。これ以上民主主義が崩壊することを放置できないと考えて弾劾訴追案を発議した」と述べた。
またキム議員は「12月6日に採決が可能な状況だという。弾劾訴追案は、本会議に報告された後24時間から72時間までに採決しなければならない。大統領の弾劾訴追案は国会議員の過半数の発議と、3分の2以上の議員が賛成すれば可決される。 国会議員定数300人のうち、与党・国民の力を除くと、無所属議員1人と議長が賛成すれば192人が賛成することになりそうだ。国民の力所属8人の議員が賛成すれば、弾劾訴追案は可決される。
与党側から弾劾訴追案に賛同する議員が出ずにこれが否決された場合、12月に終了する定期国会の後に臨時国会を開き、再度、弾劾訴追案を発議する計画だ。
ソウル新聞