ボート競技に溺れた新人女子大生が落ちた闇 「ノーヴィス」ローレン・ハダウェイ監督
妄執理解したイザベル・ファーマン
アレックスを演じたイザベル・ファーマンのストイックな演技が作品をけん引した。ハダウェイ監督自身が投影されている役だ。「オーディションでキャスティングした。彼女は手紙をくれ、実際に会った。イザベルには強烈な部分があり、妄執を理解できる人だった。そういう人でなければ演じられないと思っていた」 撮影前の6週間、毎朝4時半に起き、1日6時間以上の水上トレーニングを行い、苦しみも痛みも経験した。「イザベルはアレックスのような経験をしたので、撮影のころにはアレックスをかなり理解していた。撮影中もランチタイムも、どういうシーンか、私の人生のこうした体験に基づいたものだと話した。演技することでより強度を増したシーンもあった。初監督だが、直感的に仕事に没入していた」と振り返った。今後のプロジェクトでも「強烈な女性キャラクターが登場するのは共通」と口元をほころばせた。
映画記者 鈴木隆