アルアティヤ、通算4メーカー目のダカール制覇へ クルマの仕上がり「大満足」好発進【ダカールラリー】
肩慣らし3番手
◇第47回ダカールラリー プロローグ 3日 ビシャ(サウジアラビア) ペン=田村尚之、カメラ=多賀まりお 現役最多5度のダカール制覇を誇るナッサー・アルアティヤ(54)=カタール=が3番手で滑り出した。今季からワークス参戦するダチアに乗り、異なる4つの自動車メーカーでの勝利を目指す。前半戦からヤマ場続きのコース設定に少し頭を悩ませつつも、「クルマの仕上がりに大満足」と自信満々だ。中スポ/トーチュウ号「チームランドクルーザー・トヨタオートボデー(TLC)」も順調で、三浦昂(41)は129番手、ロナルド・バソ(43)=フランス=が132番手で続いた。 アルアティヤが戦闘力の高さを示す好発進を決めた。ルノー傘下でルーマニアの自動車メーカー「ダチア」のサンドライダーを駆り、いの一番にアタック。血気盛んな若手に抜かれるまで最速の座にとどまり、新型車両の潜在能力の高さを印象付けた。 ビバークに戻ると、「満足、満足! あしたからの大事な本番に備え、(クルマに)ダメージを負わないように走ったよ」と高笑いだ。プロローグは本番スタートの順番を決める肩慣らし。目をつり上げて走る必要はない。 今大会の目標は、まがうことなく6度目のダカール制覇だ。それも、2011年のフォルクスワーゲン(VW)、15年のMINI、19、22、23年と3度の優勝を飾ったトヨタガズーレーシング(TGR)に続く、4つの異なる自動車メーカーで頂点に立つこと。プロドライブに移籍した昨年から事あるごとに「4メーカーでの制覇」を声高に語り、ダチアになったことで目標達成に一歩近づいたようだ。 新型車はレース車両制作で実
績のあるプロドライブ社が手がけただけに、仕上がりには大満足。「正しい方向に進んでいる。テストに多くの時間を費やし、ダカールで優勝できるツールはそろった」と自信たっぷりだ。 一方で、例年と異なるルート設定に「賢くやらなければならない」と警戒も怠らない。今大会は前半戦に、サポート部隊の支援を受けられない48時間クロノ(第2ステージ=5&6日)とマラソンステージ(8~9日)が控える。いきなり勝負所が訪れる感じで、過去5度の制覇で会得した“勝利の方程式”は使えないかもしれない。 それでも、優勝候補筆頭の風格は揺るがない。「休息日までクルマを良い状態で走らせる戦略を立てたいが、前半は2回もサポートを受けられないのが悩ましい。まあ、何とかするよ」。現役最多勝利の経験と、いまだ衰えない爆発力で、新たな道を切り開く。
中日スポーツ