「災害級の大雨で帰宅困難」。濡れてもバリバリ歩ける帰宅用シューズ3選
フェスでも人気の地下足袋は驚異のグリップ力で濁流も安心
地下足袋も台風には有効です。最近では、レインシューズ替わりにフェスなどで履く方も増えてきました。足の裏を鍛える「ベアフットランニング」として地下足袋で走る方もいるそうです。あらゆる靴の中でグリップ力は最強。「踏ん張る」ことに徹した履き物なので、濁流の中でも流されることがありません。 マリンシューズより底・アッパーも厚く、帰宅時に砂利道があるような場所でも問題なし。紐の代わりに、うしろに「大ハゼ」が3枚付いていて、脱着がラクな割には歩いていても脱げません。なにより2000円台というお値段。台風だけでなく、災害時や普通の雨用の通勤靴としても使えるので、実用度としてはベスト。ソールが薄くやや心もとなく見えますが、中に脱着可能なぶ厚いインソールが入っているので、コンクリートの上も平気で歩けます。 地下足袋もコンパクトに折りたためるので、職場や自宅に置いていてもゴム長のように必要以上に場所をとりません。
濁流から旅行まで。水陸両用サンダルの王道「INOV-8」
「台風のためにわざわざ買うのもなあ」と感じるのであれば、通年使える水陸両用サンダルが有効です。イギリスの名門、「INOV-8」(イノヴェイト)の「レコライト」が王道。完全に足が水没してもまったく問題なく歩けます。 日本人にはなじみがありませんが、水陸両用でハイキングにも使える本格アウトドアサンダルなので、素足でじゃぶじゃぶ川を渡ることを念頭に作られています。ヌメっている岩場も走破できるので、通常のスニーカーよりはるかに滑りづらく、乾くのもあっという間です。排水機能だけではなく、砂利などの異物が入ることも防ぐ仕様。コードがアッパーのループに通っているので、甲だけでなく靴全体を締めあげることができ、甲の高さを合わせるのも一瞬ですみます。たいていの足にはフィットして数年間は余裕で履けるでしょう。 公式HPの写真には釣り竿が写っていますが、もともとはトレイルランナーがレース後に履くためのリラックスサンダルとして開発されました。トウだけでなく、靴のサイドまでしっかりバンパーでガードされているので、人やモノに踏まれたりぶつかっても平気。台風の時だけでなく、近年では旅行用に履く人も増えているくらい汎用性が高い靴です。底が薄く見えますが、意外にもクッション性と安定性は抜群で、ハイキング程度なら余裕でこなせます。とにかく壊れないことで有名なメーカーなので、日常からハードに使いたい方にももってこいです。デザインも秀逸で、近年のINOV-8はビームスやアローズからもコラボカラーが発売されるほどの人気です。通常カラーはアウトドアショップで通年手に入ります。 台風に備えて、適切な選択が身を守る手助けになります。濡れることを前提に選んだ靴が、帰宅を安全で快適なものします。今回紹介したマリンシューズ、地下足袋、そして水陸両用サンダルのいずれもが、台風の日の足元をしっかりサポートしてくれる頼もしい存在です。価格帯や用途に合わせて、自分に合った一足を見つけておけば、突然の豪雨でも慌てずに済みます。日常生活における安全と快適さを確保するために、ぜひこれらのアイテムを検討してみてください。 <文/シューフィッターこまつ> ―[シューフィッターこまつ]― 【シューフィッターこまつ】 こまつ(本名・佐藤靖青〈さとうせいしょう〉)。イギリスのノーサンプトンで靴を学び、20代で靴の設計、30代からリペアの世界へ。現在「全国どこでもシューフィッター」として活動中。YouTube『シューフィッターこまつ 足と靴のスペシャリスト』。靴のブログを毎日書いてます。「毎日靴ブログ@こまつ」
日刊SPA!