ヘッジファンドのセガンティ、香港中心部のオフィスから退去-関係者
(ブルームバーグ): インサイダー取引事件の渦中にあるヘッジファンド会社、セガンティ・キャピタル・マネジメントは、香港の1万2000平方フィート(約1115平方メートル)のオフィスを退去したと、事情に詳しい関係者が述べた。
サイモン・サドラー氏が創業した同社は、利用していたクイーンズロードセントラル100番地の21階と22階のオフィスを明け渡したと、事情に詳しい関係者が匿名を条件に述べた。まだ1年以上の賃貸契約期間が残っていたと関係者の1人は付け加えた。
セガンティは現在、香港の住所として近隣のサービスオフィスにあるスイートルームを記載している。
セガンティのオフィスだった2フロアのうち1フロアの入口には「ビットメイン・アントアルファ」の看板が掲げられており、別のフロアは改装中だった。
ビットメインはデジタル通貨マイニングサーバーのメーカー。アントアルファはシンガポールに拠点を置く関連会社で、ウェブサイトによると、機関投資家向けビットコインマイニング事業の貸し出しデスクを運営している。
セガンティのカート・エルソイ最高経営責任者(CEO)はコメントを控えた。クイーンズロードセントラル100番地の貸し主とビットメインの担当者は、それぞれに送ったメールによる問い合わせに回答しなかった。
セガンティは投資家への資金返還を進めていると、関係者が5月に述べていた。
2007年に2600万ドル(約38億6000万円)の資本金で香港で設立されたセガンティは、21年のピーク時には62億ドルの資産を管理し、従業員数および運用資産の両面でアジア最大のヘッジファンドの一つに数えられていた。
香港の証券監督当局は今年5月上旬、セガンティ、サドラー氏、元トレーダーのダニエル・ラ・ロッカ氏をインサイダー取引の容疑で刑事告発した。
原題:Segantii Gives Up Hong Kong Office Amid Insider Dealing Charge(抜粋)