【万博まであと1年】「工事遅れ」に「建設費増額」さらに関係者を悩ませる“一番の課題”とは 前途多難な現状にも石毛事務総長「いまは焦る必要ない」
経産省は、こういった世論を意識してか3月末、こんな数字を公表しました。 (経済産業省・博覧会推進室担当者)「今回、経済波及効果を再試算して、総額2.9兆円という結果を報告します」 万博による「経済波及効果」が6年前の試算と比べ、4000億円大きくなると明らかにしたのです。 一方、大阪府の吉村知事は「経済効果のためだけに万博をするわけではない」とした上で、このように述べました。 (吉村知事)「丁寧な説明をしていくしかないと思います。その分しっかりとしたすばらしい万博を実現する。こんなに素晴らしい万博ができたなら、(増額の)価値あるよねと思ってもらえるようなものをつくりあげることが大切だと思います」 ただ、何より万博関係者が頭を悩ます1番の課題が…
課題③ 盛り上がりに欠ける!?
様々な課題が取りざたされる中、みなさんは万博をどう考えているのでしょうか。 (大阪府民・80代)「(Q.万博に行く予定はある?)あります。昔の大阪万博(1970年)に行ったからね。あの時は外国のパビリオンがすごく珍しかったから。いまはそれほど珍しくないんだけど」 (大阪府民・50代)「現実味があんまりない。来年に迫っているけど、本当にやるのかなって感覚がずっとありますね」 (京都府民・40代)「まだそそるなにかがないかなと思いますね。これっていう目玉がないというか。 (大阪府民・50代)「やっぱりちょっと盛り上がりに欠けるのかな。大阪市民もみんな万博に対して期待感が薄いのかなって」 こうした全体的な機運が影響しているのか、4月3日時点での前売り券の売り上げ枚数は約123万枚と、目標(1400万枚)の9%程度にとどまっています。 視聴者へのアンケート結果をみると、万博に関心があると答えた人は計46%で、関心がない層が過半数を超える結果になりました。
この状況に、石毛事務総長は「いまは焦る必要はない」と話します。 (石毛事務総長)「開幕したらさらに盛り上がる。開幕してからかなりの入場者数が実現されるのはどの万博でもそうです。最後は『もっと期間延びないの』と。そういって終わるのが万博の常ですよね。世界の今をパスポートなしで見られるんです。こういう機会は一生に一回あるかないかですよ。この機会をぜひ逃さずに夢洲に来てくださいと、チケットを買ってくださいと。絶対損はしません」 抱える課題を解消しつつ、万博のテーマやパビリオンなど「中身」を広く伝えていく。万博の成功は、これからの1年にかかっています。