【万博まであと1年】「工事遅れ」に「建設費増額」さらに関係者を悩ませる“一番の課題”とは 前途多難な現状にも石毛事務総長「いまは焦る必要ない」
なぜ建設が遅れているのかを調べてみると、国内外の事情、様々な要因が見えてきました。 (万博工事の建設業者)「施工業者が決まらない理由のひとつは、各国が威信をかけてこだわったデザイン。いまから着工するには複雑すぎたり、繊細すぎたりして、業者が手を挙げづらい状況」 「人件費が上がって人が雇えず、さらに『2024年問題』で労働時間の制限が厳しくなり、マンパワーが足りていない」 「円安や物価高、戦争などの影響で資材が高騰していて、一部で手に入りづらくなっている」 こうした苦境に、万博協会は新しい受け皿として「タイプX」という選択肢を用意しました。プレハブ型の建物工事を協会が先行して手がけ、外装や内装を各国でデザインするというものです。タイプAからの移行をいち早く表明した国のひとつが、ブラジルです。 (ブラジル貿易投資振興庁・ジョルジ・ヴィアナ長官)「限られた時間の中で建設を完了できるか危ぶまれる状況にあったので、より確実に予定されたスケジュールで完了できる、プレハブ式のタイプXに移行しました」 協会は進捗が芳しくない国に対しタイプXなどへの移行を促していますが現在、ブラジルを含め3ヵ国にとどまっています。
この現状に、万博協会で事務方のトップを務める石毛事務総長は、「完璧ではない形」での開幕の可能性も示唆しました。 (万博協会・石毛博行事務総長)「(タイプAの)数が減ったとか、落ちこぼれたとか、そういうことを言うのは、あまり正論ではない。前の万博では、いろんな事情で途中で撤退した国もある。そういうことについて許容していかないと、こういう大きなイベントはできない」 見逃せない課題は他にも…
課題② 会場建設費の増額 納得できない!?
(大阪府・吉村洋文知事)「今回2回目の増額、500億円の増額になったこと、府民・国民のみなさんにおわびをします」 国と大阪府市、経済界が3分の1ずつ負担する会場建設費。当初の1250億円から、4年前1850億円に増額しました。さらに去年11月、2350億円にまで再度増額。当初の約1.9倍にふくれあがったことになります。 newsおかえり視聴者約1000人にアンケートをとってみたところ、会場建設費の増額に「納得している」と答えた人はわずかに13%。多くの人が「納得していない」と回答しました。