4年生たちがネクストレベルにつなげるラストシーズン(第100回関東大学バスケットボールリーグ戦・専修大学 vs 東海大学)
「チームで戦えることを示すことができ、みんなが自信を持って良い」専修大学 #16 淺野ケニー
100回を数える関東大学オータムリーグが開幕。最初の2試合を終え、ホームゲームを行った日本体育大学と白鷗大学とともに、東海大学の3チームが幸先の良い連勝スタートを切った。昨シーズンを振り返れば、開幕戦こそ勝利したが翌日は敗れ、その後も週末2連戦の2試合目を落とす反省点があった。この夏に行った名古屋遠征でも、Bリーグのファイティングイーグルス名古屋を相手に善戦したが、続く岐阜スゥープス戦は異なる内容となり、継続して遂行力を発揮できずにいる。「リーグ開幕戦は山梨学院大学(91-46)に勝ちましたが、次の試合が大事だとみんなで話していました」と #3 ハーパー ジャン ローレンス ジュニアは気を引き締めて臨んだ専修大学との2戦目。「みんながハングリー精神を出して戦い、勝てて良かったです」と続け、78-64で勝利した。 専修大学は開幕戦で中央大学に74-64で勝利し、1勝1敗。しかし、第4クォーターは10-22と中央大学ペースとなり、試合の締め方がスッキリしない。東海大学戦でも前半は競った試合展開だったが、「第3クォーターのオフェンスが単調になってしまい、それは中央大学戦の第4クォーターと同じように個で打開しようとしてしまって、チームとして同じ方向を向いて戦えなければやっぱり良いバスケはできなくなってしまいます」と #16 淺野ケニーは課題を挙げ、連続失点によって引き離されてしまった。 リーグ開幕直前、専修大学は留学生ビッグマンのジョベ モハメドを欠く緊急事態に見舞われる。準備不足は否めないが、それでもタレントが揃った強豪に変わりなく、さらに「今シーズンは3ポイントシュートに力を入れています」と淺野は明かし、新たなスタイルに注力してきた。昨年インカレでの3ポイントシュート試投数は、3回戦以降の4試合で71本。ベスト4チームのうち試投数112本の東海大学がトップであり、他の2チームと比較しても断トツで少なかった。しかし、東海大学の5/20本に対し、専修大学が6/24本で3ポイントシュート試投数も成功数も上回り、勝利した中央大学戦は8/32本と早くも変化が数字として表れている。淺野は2試合とも5本放って2本成功させ、昨シーズンから倍に増えていた。 「今まではペイントアタックを意識し、ほとんど3ポイントシュートを打つこともなく、自分自身も1試合につき1本決めるかどうかでした。でも、今はチーム全体として3ポイントシュートのアテンプトを増やし、ドライブもしやすいようにスペースを作る。日本代表のスタイルに近いものがあり、良い影響を受けながら自分たちのバスケを進化させています」 キャプテンの #12 市場脩斗を筆頭に、#6 上村大佐、#30 齋達也ら4年生が中心となる専修大学は、「4年間一緒にバスケをしてきて仲が良いし、もう何でも言える仲間たちです。後輩たちも気兼ねなく言ってきてくれるので、すごく良い雰囲気でできています」とまとまりがある。東海大学に敗れはしたが、「チームで戦えることを示すことができ、みんなが自信を持って良い部分です」と淺野は胸を張った。 対する東海大学は、今シーズンから新たに210cmの #25 ムスタファ ンバアイを迎えた。入学まもない春先はまだまだチームにフィットしきれず、プレータイムもスタッツも思うように残せていない。しかし、ンバアイが少しでも良いプレーをすれば、チーム全員が盛り上げていたのが印象的だった。「彼が東海大学のキーになっています」とハーパーは述べ、福岡第一高校の後輩に目をかける。 「自分たちの持ち味は硬いディフェンスからリバウンドとルーズボールであり、そこを大切にしています。他の大学の留学生はルーズボールにあまり飛び込まないこともありますが、ムスタファにはルーズボールやリバウンドといった泥臭いプレーをし続けることを常に言ってきました。そこをがんばることで勝利に近づくことができます」 東海大学カラーに染まりはじめたことで、リーグ戦では見違えている。「ムスタファがいることで昨シーズンの弱みだったリバウンドが強化されました。ディフェンスでもムスタファがカバーしてくれるので、すごく助かっています」というハーパーとともに、専修大学戦は揃ってチームハイの15点を挙げて勝利に貢献した。
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