西武の歴史的低迷を招いた数々のワースト記録…打率、本塁打、延長戦
西武は49勝91敗3分け。91敗は71年84敗を抜いて最多。勝率.350は71年.311に次ぐ低勝率で、球団にとっては最悪ともいえる結果に終わった。リーグワースト記録となる打率.212に、球団最少の60本塁打と打線が奮わなかったが、影響が少なくなかったのは、延長戦とサヨナラ試合だ。 延長戦12敗以上は別表の通り9度。1950年の2リーグ制以降では、6度目のワースト記録。サヨナラ試合で13敗以上は6度目だった。 延長戦は開幕から7連敗。前年から15連敗となり、40、41年朝日(40年はライオン)の17連敗に次いで長い連敗。また、引き分けなしでは、前記朝日の14を抜いて最長。延長戦では2リーグ制後の最多敗戦となったが、12敗以上した延べ9チームは最下位が6チーム。8球団制で4位タイの阪急がいるが、ほかは下位に終わっており、延長戦の敗戦が順位に影響を与えた。 2ケタ本塁打球団初のゼロ ▼…チーム本塁打は60本。シーズン60本塁打以下は、今季、広島が52本だったが、球団では51年63本を下回り、ワースト記録。チームの最多本塁打打者は7本の佐藤龍、外崎、中村剛で、球団初の10本塁打以上なし。50年の2リーグ制後、2ケタ本塁打打者ゼロは、12年楽天以来、延べ22チーム目になるが、チームの最多本塁打打者が7本塁打以下は、56年大映、東映の7本、高橋の6本以来。 ロッテに開幕16連敗 ▼…ロッテ戦は開幕16連敗で4勝21敗に。同一カードの開幕16連敗はプロ野球新記録になってしまった。シーズン同一カード21敗は、95年オリックス戦21敗(5勝)と並ぶ球団最多敗戦。25試合のうち、先取点を奪ったのは6度しかなかった。 3年満弾なし ▼…満塁本塁打は3年連続ゼロ。1リーグ時代の大和が存続した9シーズンすべてになかったが、2リーグ制後、3年連続でチームの満塁弾なしは、52~54年広島、56~58年東映と並ぶ最長。 セパ最少350点 ▼…350得点で両リーグ最少。年の2リーグ制後、チーム得点が350点以下は延べ12チーム。パでは、51年近鉄319、58年近鉄326に次いで3番目に少ない。得点別の試合数は、完封負け22度、1点41度、2点28度、3点19度で、3点以下の試合が110試合もあった。 ▼…チーム打率.212は57年大映の.213を下回りパ最低打率。今季、パの打率最下位打者は外崎。球団では22年のオグレディ以来だが、今季の殊勲安打は先制6、同点4、勝ち越し5、逆転1の計16本で、チーム唯一の2ケタ殊勲安打。勝利打点10度は佐藤龍の7度を抑えチームNO1。 ベストナイン2年連続ゼロ ▼…ベストナインは2年連続なし。球団で2年連続選出なしは、50、51年の2年連続、67~71年の5年連続に次いで3度目の屈辱。 源田4年ぶり全試合に出場 ▼…源田は20年以来4度目の全試合出場。球団で4度以上の全試合出場は最多8度の松井稼頭央をはじめ8人目。遊撃手では松井に次いで2人目になる。 おかわり栗山最長23年同僚 ▼…02年に同期入団の中村剛と栗山はそろって23年目。同一チームで23年一緒だったのは、71~93年ヤクルトの八重樫幸雄と杉浦享の23年と並び最長。八重樫は70年、杉浦は71年入団で同期入団では最長コンビだ。 武内球団31年左腕で新人王 ▼…ルーキーの武内は、球団では22年水上以来17人目の新人王になった。1年目左腕の新人王は18年東(D)以来、パでは06年八木智哉(日)以来。球団で投手の新人王は11人目だが、左投手は93年杉山賢人に次いで2人目になる。 今井楽天戦6勝初の奪三振王 ▼…今井は楽天戦で今季6勝2敗。昨年は6勝0敗で21年からは13連勝もマークした得意カード。同一カードで2年連続6勝以上は、日本ハム戦で03年7勝、04年6勝の岩隈久志(近鉄)以来。球団では、稲尾和久が3年連続を阪急、大毎、近鉄戦各1度、2年連続を阪急、南海、毎日、東急を1度、67、68年近鉄戦で2年連続7勝の池永正明以来3人目。 ▼…今井が初の奪三振王。球団では05年の松坂大輔以来だった。3球奪三振は31度だったが、規定投球回以上では、隅田が36度で両リーグ最多。 隅田新人から3年2ケタ● ▼…隅田は新人の22年から3年連続10敗以上。新人から3年連続2ケタ敗戦は11~13年に3年連続の沢村拓一(巨)以来。パでは90~93年に4年連続の小宮山悟(ロ)以来、球団では65~69年に5年連続の池永正明、72~75年に4年連続の加藤初、79~81年に3年連続の松沼博久、森繁和に次いで5人目。 光成4人目の開幕から11連敗 ▼…高橋は開幕から11連敗、開幕11連敗は4人目。シーズン11敗以上で勝ち星なしは、56年13連敗の権藤正利(大洋)、60年11連敗の大津守(近鉄)に次いで3人目だ。交流戦で勝ったのは19年6月14日ヤクルト戦が最後。21年6月4日ヤクルト戦から11連敗中。(福山 智紀)
報知新聞社