「スーパーの熊」無事捕獲も... 地元県議に「熊を殺すことしか考えない」苦情メール
秋田市内のスーパーマーケットで作業中だった従業員の男性を襲い、店内に立てこもっていたクマが2024年12月2日に捕獲された。 【画像】送られてきた「こんなアレなメール」 秋田県議会議員の宇佐見康人氏は2日、この騒動をめぐり、自身を批判するメールが届いていたことをXで明かした。 ■「もう少し人間以外の山に生きる者たちの命を大切に考えて」 報道によると、11月30日に作業中だった従業員の男性がクマに襲われ、顔や頭などにケガを負ったという。クマは店内にとどまっていたが、スーパー内では銃が使えないことから捕獲が難しく、店内に箱わなを設置。12月2日に捕獲され、その後電気による殺処分が施された。 宇佐美氏は2日、「こんなアレなメールが来ましたが、スーパーに籠城していた熊は無事に捕獲されました」として自身に届いたメールを公開した。 件名は「熊を殺すことしか 考えない宇佐美議員へ」。「熊を生かすことを考えず、殺すことしか考えない野蛮な議員だとは思いませんでした」とした上で、「なぜ諸外国のように麻酔銃で眠らせて山に帰すことを考えず、殺してしまえという考えしか浮かばないんですか?」と怒りをあらわに。 「あなた方が熊を害獣だと言って殺していいという理論なら、熊にしてみれば人間は害獣ですから殺していいということになりますよ」と訴えた。 「自然との共生とか本気で県が目指すなら、人間の都合で殺す前に、猟友会に殺すための銃ではなく、麻酔銃を扱えるような技術を身につかせて熊の命を奪わない方が先決では?」「命を大事に考えないようなので簡単に『駆除』という言葉を使っているみたいですが、もう少し人間以外の山に生きる者たちの命を大切に考えてください」としたものだ。
「怖くて人を襲うのにかわいそう」「また山を下りてくる可能性が」
同様の苦情は、宇佐美氏のみならず、秋田市にも届いているという。報道では、クマの殺処分をめぐる苦情の電話やメールが複数あったとしていた。 SNSでも、「クマと人間が共存できるようになれたらいいんだけど」「クマ捕獲を見て、クマ殺されちゃうのかな 怖くて人を襲うのにかわいそうだ」など、殺処分に抵抗を覚えるユーザーの声が散見される。 一方で、宇佐美氏の投稿には、「駆除される熊は可哀想でありますが、今回の件で、学習したこの熊が、後に子供を引き連れて群れで襲来したらどうでしょう。駆除されるかわいそうな熊が増えてしまいます。メールの送り主は、解放した先のことまで考えてもらいたいですね」「人間の食べ物の味を覚えたら、また山を下りてくる可能性があります。それで誰かが熊に襲われたとしたら、そのメールを出した人は責任を取れるのでしょうか? 『住み分け』をキチンとすることが、熊にとっても、人間にとっても幸せです」など、殺処分を支持する声が多く寄せられた。
「何を言われようと、県民市民の生命と財産を守るための判断をします」
宇佐美氏は、自身に寄せられたリプライにも反応している。 民間団体によるクマの引き取りを拒否した例があるとして「(殺処分とは)違う対策も視野に入れなきゃ。殺害に拘っていると思われる事を実際しているのだから」との指摘が寄せられると、「何でその保護団体が引き渡してもらえないかを考えたらどうですか? 単純に信用が無いからですよ」ときっぱり。 その上で、「私は別に何を言われようと、県民市民の生命と財産を守るための判断をしますし、今回も昼夜対応に当たった猟友会や職員の皆様に感謝いたします」とした。