父の思い…娘の絵と対峙する日々 “生と死”見つめ 夭折の画家・須藤康花 没後15年・初の回顧展
父親・須藤正親さん: 「彼女の絵を通じて、ぼくは82歳になりますけど、自省する姿勢が深まってきているのかな。(自分に)足りない部分がいっぱいあるなってことかもしれないけど、本質になかなか近づけないことがわかる、っていう自分が、前よりもわかってきた」
美術館の運営は体力的にも経済的にも厳しいものですが、できる限り続けたい考えです。 父・須藤正親さん: 「作品というのは人に見てもらわないと。見てもらうことを、親である僕がやったということは、それなりに彼女の死に報いる手立ての一つだったかなと」
その想いをくんだ松本市美術館。 初の回顧展を開きました。
松本市美術館 学芸員・渋田見彰さん: 「心の内をどうしてここまで分析できたのだろうか、さらけ出すことができたのだろうか。多くの方に見ていただくということが、より深い康花さんの研究につながっていくだろうし、今後もつなげていかなければいけない」
200点の絵画と30の詩を8つの「章」に分けて、作品の全貌を小説のように読み解く展示となっています。 愛知から: 「しんどい、苦痛の中で生まれている。普通の人にはきっと見られない景色だったりするからそこに触れたのが貴重だなと」 「生きることと死ぬことがつながっていく、みたいな、いろんな作品を通して感じられました」
最終章「光と闇の記憶」。 洞窟をモチーフとした白黒の銅版画は、絶望の淵に差すわずかな光を捉えています。
そして、最後の1点。 展示は最晩年に描いた油彩画で締め括られています。 (詩) 「消えゆく赤は あまりに壮大で それが狂いそうな程に美しい 私はただ立ち尽くして 震えて泣いていた」
長野放送