フードバンクちばが館山市内に拠点開設 安房地域での支援活動迅速化(千葉県)
企業や個人に不要な食品を提供してもらい、生活に困っている人に配るフードドライブ活動に県内取り組む「フードバンクちば」(千葉市、菊地謙代表)が、安房地域での活動拠点「フードバンク安房」を、館山市波左間に開設した。安房3市1町の社会福祉協議会をはじめ、支援機関などと共同で運営に当たる。 フードバンクちばは、誰もが支え合う社会を目指し、寄贈元と提供先のマッチングなど、身近な地域で迅速な支援が受けられる体制づくりを進めている。 フードドライブ活動は、社福協などと協力しながら年に3回実施。各地域で集めた食品を千葉市内の拠点にストックしていた。2021年からは、効率的に食品が行きわたる仕組みづくりと、地域の特性に合った支援を手厚くするため、三つの物流サテライト拠点の整備を進め、23年までに北西部、北総九十九里に協力団体が運営する形で開設した。南房総エリアのフードバンク安房は3番目の開設となる。 フードバンク安房は、社福協、中核地域生活支援センター、パルシステムなどの他、地域のNPOやボランティア団体などが委員となって運営を進める。拠点となる施設は、委員のメンバーで、館山市波左間で未利用魚の活用や空き家活用などに取り組むNPO法人「AWA369」が管理する空き家を利用する。 安房地域に食品をストックすることで、スピーディーな支援につなげる他、食品を使った新たな支援活動が地域で波及していくことなどを目的としている。 6日に行われた開所式には、関係者約25人が出席。看板の除幕式などで新たな活動の開始を祝った。定期的に委員たちが集まって食品の仕分け、分配、啓発活動などをしていく予定。 館山市内で子ども食堂を運営する川名和枝さん(71)は、「これまで千葉市内まで時間をかけて食品を調達しに行っていたが、館山市内で済むのでありがたい。ますます地域の人への支援がしやすくなる」と話す。 フードバンクちばは「他の地域に比べると支援の手が少ないが、これからさらに高齢化も進むことから、支援がますます必要となってくる。安房地域に拠点ができたことで支援の輪が広がっていけば」としている。 (安井咲子)