【NISA・クレカ積立】「オルカン」でポイント還元率を比較!今いちばんおトクなネット証券はどこだ
「楽天・オールカントリー」の収益の仕組み
【楽天証券】も事情は同じ。『楽天・オールカントリー株式インデックス・ファンド』の信託報酬は税抜で0.051%。3等分すると0.017%となり、保有ポイントと一致する。 但し、「楽天・オールカントリー」の場合、運用会社は楽天投信投資顧問なので、楽天グループとしてみれば利益を計上することが可能。逆に、楽天投信投資顧問の取り分があるからこそ、『eMAXIS Slim 全世界株式』を下回る信託報酬を実現した、ということができよう(『楽天・オールカントリー株式インデックス・ファンド』は楽天証券でのみ販売)。 ◆いまだ音無しの構えの「ドコモマネックスホールディングス」の動向は? さて、’24年1月にドコモマネックスホールディングスが発足したが、まだNTTドコモと【マネックス証券】の相乗効果が出ているとは言い難い。「dカードによるクレカ積立の開始は今年夏頃」、「年内にdポイントでの保有ポイント付与」などのアナウンスはされており、早ければ5月の決算発表で、実施時期や還元率などの具体的な内容が発表される可能性はある。 但し、dカードでのサービスは、マネックスカードと同水準とする意向も示されており、ポイント還元の大盤振る舞いは期待できそうもない。おそらく、現在auが提供している『auマネ活プラン』のような、新料金プランでアピールする作戦ではないだろうか。 『auマネ活プラン』に加入すると、クレカ積立の還元率がau PAYカードは1.5%に、au PAY ゴールドカードは2%(初年度のみ3%)にそれぞれアップする。’23年9月のスタート以降、好評を博しており、au PAY ゴールドカードの加入者も順調に増えているという。昨今のNISAの大ブームで、通信サービスと金融サービスをセットにしたプランには、利用者の大きなニーズがあることが判明している。 前述したように、投資家に還元できるポイントの原資は限られている。ドコモは、新しいプランを作って、プラン自体の料金で少しでも元をとらないと、1%を超える還元率は設定しにくくなっているはずだ。 なお、【マネックス証券】は、現在、新規にNISA口座を開設した人を対象に、クレカ積立の還元率を2.2%にするというキャンペーンを行っている(’24年9月末まで。積立額5万円超は未定)。なかなか太っ腹なキャンペーンだが、投資家の期待値のハードルが上がっているのは間違いない。今夏、ドコモはどんなサービスを打ち出してくるか。内容次第では、他社にも影響が出るだろう。ライバル関係にある【auカブコム証券】は、保有ポイントで〝のりしろ〟を残しているので、この辺りにも動きがありそうだ。 取材・文:松岡賢治 マネーライター、ファイナンシャルプランナー/証券会社のマーケットアナリストを経て、1996年に独立。ビジネス誌や経済誌を中心に金融、資産運用の記事を執筆。著書に『ロボアドバイザー投資1年目の教科書』『豊富な図解でよくわかる! キャッシュレス決済で絶対得する本 』。
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