【NISA・クレカ積立】「オルカン」でポイント還元率を比較!今いちばんおトクなネット証券はどこだ
【auカブコム証券】は【マネックス証券】を逆転か!?
SBI証券と楽天証券の“2強”に次ぐ2番手グループは、ポイント還元率では2強を上回っている。特に、【マネックス証券】は、還元率と保有ポイント付与率の合計で頭ひとつ抜けているが、限度額引き上げ後は【auカブコム証券】が有利になるケースが出てきた。 というのも、【マネックス証券】の1.1%は、積立額5万円以下に適用され、5万円超~7万円以下では0.6%、7万円超~10万円以下では0.2%にダウンするからだ。【auカブコム証券】は10万円まで1%が適用される。 こうした条件を考慮すると、クレカ積立でもらえるポイントは、積立額6万2500円のときに【マネックス証券】と【auカブコム証券】が並ぶ。6万2500円未満は【マネックス証券】がおトク、6万2500円超なら【auカブコム証券】がおトク、というわけだ。なお、マネックスカードとau PAYカードは、年会費はあるものの、クレカ積立を含む年1回の利用で無料となるので実質年会費無料のカードとした。 また、【PayPay証券】は、還元率を0.7%としているが、ポイント付与対象は5万円までで、5万円を超える積立分については、ポイントはつかない。マネックス証券、auカブコム証券と比較すると、見劣りするのは否めない。 ◆証券会社の投資信託の収益は信託報酬の3分の1 ここで、保有ポイントの補足をしておきたい。【SBI証券】と【マネックス証券】の付与率が同じ0.0175%となっているのは偶然ではない。これが『eMAXIS Slim 全世界株式』の限界なのだ。 投資信託の信託報酬は保有残高に掛かるコストで、投資家が投資信託を保有する限り金融機関に支払う手数料である。一方の金融機関側からすると収益にあたる。オルカンの信託報酬は税抜だと0.0525%。これを、販売会社(=証券会社)と運用会社、そして投資家の資金を預かる受託会社(=信託銀行)の3つの金融機関が3等分して受け取るので、証券会社の〝取り分〟は0.0525%÷3=0.0175%になる。 つまり、【SBI証券】と【マネックス証券】は、オルカンの売上げで得られる収益を、すべて保有ポイントとして投資家に差し出しているのだ。クレカ積立のポイント還元もあるので、サービスを続ける限り、オルカンは売れば売るほど赤字となる計算だ(それでもなぜサービスを続けるのかについては、過去記事の「出遅れたドコモは巻き返せるか…赤字覚悟でも欲しい『新NISA』口座 見えてきた各社のポイント戦略」を参照してほしい)。