プーチン氏、選挙後に大幅な内閣改造か-国防相や外相の去就に注目
(ブルームバーグ): プーチン大統領の続投を見越し、ロシア体制内エリートの駆け引きが熱を帯びている。プーチン氏はウクライナでの戦争を継続しようと、自身に忠実な人々で周囲を固めている。
大統領府と政府に近い複数の関係者によると、プーチン氏は今週の大統領選挙の後で、2020年以来となる大幅な内閣改造を実施する可能性がある。人事はまだ最終決定されていないものの、プーチン氏は新たな6年間の任期の始まりに主要ポストの刷新を検討しており、数人は交代となる公算が大きいという。
当局が厳重に管理する15-17日の大統領選挙を経て、プーチン氏は大統領として通算5期目に入る。プーチン氏をロシアの戦争指導者として演出し、確実に圧勝するよう当局者らは取り組んでいる。昨年には民間軍事会社ワグネルによる前代未聞の反乱でプーチン氏の権威を揺るがしていただけに、圧倒的な勝利を飾ることの重要性はいっそう増した。
サンクトペテルブルク政治基金の責任者、ミハイル・ビノグラドフ氏は「プーチン政権にとって、交代のシグナルを送ることは重要で、新たな人材が必要だ」と分析。政府の「全てのポスト」で交代への期待が高まりつつあるが、誰が交代となるのか臆測が高まれば、軍事問題への対応から最高指導部の注意がそがれる恐れも生じると指摘した。
エネルギー相のシュリギノフ氏(72)が退任する可能性があると、事情を知る関係者2人は語った。後任は電力輸出入会社インテルRAO会長の職を今週辞任すると見込まれるボリス・コバルチュク氏となる可能性があると、関係者の1人は述べた。
コバルチュク氏の父、ユーリ氏は、米財務省が2014年にプーチン氏らロシアの政権最高幹部の「個人的な銀行家」だとして制裁対象とした。
強い影響力を持つパトルシェフ安全保障会議書記の息子で農相を務めるドミトリー・パトルシェフ氏も、新たな役職に就く候補に挙がっている可能性があると3人の関係者が明らかにした。農産業の成長はロシアが近年収めた大きな成功の一つであるため、副首相に昇進させる案も検討されているという。