ポスト・スマホ、Apple Vision Pro対応の新時代アプリを開発! 空間コンピューティングとは
空間コンピューティングで新しいエンタテインメントを
これまで山口の会社では、空間コンピューティング時代を見据えたイベントを数多く開催してきた。なかでも注目されたのが、2023年10月に開催されたAIRRACE X。「空のF1」と呼ばれるエアレースの次世代版だ。 エアレースは、最高時速370㎞で飛ぶ小型飛行機でタイムを競う人気のレースだが、運営には巨額の資金を必要とし、開催できなくなっていた。 このエアレースを何とか復活させるために立ち上がったのが山口率いるSTYLY。世界中のレーサーがそれぞれの国で飛行を行い、バーチャル上で重ね合わせて競い合う、という新しい形で生まれ変わらせたのだ。これにより世界中のどこにいてもレースに参加するのが可能になった。 開催会場へ飛行機を輸送する必要もなくなり、大幅なコスト削減に成功。また、レースの舞台を渋谷の街中にしたことで、渋谷区や渋谷が拠点の企業が共同スポンサーとなり、資金面の問題も解消した。 「渋谷の街中でエアレースをするというありえないシチュエーションも、空間コンピューティングなら実現できる。渋谷の価値をさらに高められると、企業や団体の方にも賛同いただいています。これからもっと若い人たちのアイデアで技術を活用してもらい、新しい文化をどんどんつくってほしいですね」 人々の生活を急変革させたスマホ。それに代わる「空間コンピュータ」。AVPなどが普及する時代には、人々の生活や価値観、働き方、すべてが大きく変化すると山口は予測する。 「今後AIがさらに進化し、人間の仕事の多くをAIが担うことは間違いありません。自分のアバターが仕事を代わってくれるので、100や1000の仕事を同時にすることも可能です。課題解決型の仕事はAIで完結できるようになる。そうなると人間の仕事は再びクリエイティヴなものに戻ると思います。そんな時代になったら、ものづくりが得意な日本人なら面白い仕事ができるはず。日本が世界から『空間コンピューティング大国』として注目され、『日本のものづくりはやっぱりすごい! 』と評価されたら嬉しいです」 近い将来「空間コンピューティング」が普及する時代には、SNSで発信するような感覚で、手軽に3D空間をシェアするようになると話す山口。技術の民主化は私たちが思っている以上に速いスピードで訪れるのかもしれない。