「ICEもEVも本気で取り組む」「CBブランドは残す!」ホンダ二輪事業本部長 加藤稔さんに聞く【TOPインタビュー】
4気筒モデルというと、本誌がずっと追いかけているCB400スーパーフォアに代わる400cc・4気筒モデル、さらには2026年11月に施行される排ガス規制のために現行モデルの継続が難しいと言われているCB1300の後継モデルについても関心が集まっている。 「個人的にもCB1300は大好きなバイクなんです。それと次の規制を乗り越えられないこともないんです。ただ、あのモデルは日本以外では残念ながら売れなかったので、いったんは諦めるしかないかなと思ってもいます。しかし、コンセプトというか、CBブランドは残していきたいと思っていますので、もう少しお待ちください。今日はここまでしかお話できません。 日本のお客さまがCB1300の後継モデルを期待しているのは分かりますが、今後は世界中で売れるグローバルモデルで展開していく方針ですから、世界中のお客様に喜んでもらえるモデルじゃなければいけないと思っています」 7月に開催された加藤さんとメディア関係者の懇談会では、現行の400ccに代わるモデルを開発していて、仕様が決定したとの発言があった。 「7月に申し上げた通り、こちらも開発中です。なにぶん、簡単には発売できないんで、もう少しお待ちいただきたいと思います」 ──30年以上にわたりベストセラーを続けてきたCB1300シリーズもついに後継モデルが登場するか。最新の情報では、往年のCB-Fスタイルの1000㏄モデルになるという説が有力だ。 ──ディスコンになって久しいCB400Super Fourの後継となる4気筒モデルの開発も進んでいるようだ。日本だけでなく、中国マーケットも視野に入れて最新装備が採用されるのではと予想される。
ICEの燃費もEV の電費もNo.1でホンダ車は環境にも優しいバイクを目指す
ホンダはICEモデルの進化も続けていて、昨年発表したEクラッチやDCT搭載車にも注力している。 「Eクラッチは、搭載車種をどんどん広げていきます。DCTも止めたわけじゃないので、カテゴリーとモデルのコンセプトに合わせて使い分けしていきます。DCTは依然として好評で、アフリカツインとNT1100の欧州向けではDCT車の割合が75%以上となっています」 これまではICEの開発に集中できていたのが、本格的にEVの開発にも注力するとなると、開発用のリソースが分散してしまわないのだろうか。 「EVも本気で始めたので、開発のリソース全体のボリュームは増えています。ただ、ICEのリソースを削ってEVにという感じではなく、ICEはICEで進化させようとしています。やはり一気にEVに切り替わるわけではないので、ICEも新しい価値観を出していかないとライバルメーカーに負けてしまう恐れがありますから。 ICEの燃費でも負けたくないし、EVの電費でも負けるつもりはない。ICEでもEVでも、ホンダ車に乗ってもらうことが環境にも優しいんだと、胸を張って言えるように両方本気で開発していきます」 ──10月9日にインドネシアで発表された、Honda Mobile Power Pack e:(以下MPP)を2個搭載する排気量110cc相当のCuv e:。3つの走行モード、スマホとの連携など充実した機能を持つ。 ──Cuv e:と同時に発表されたICON e:は、原付一種相当のEM1 e:をベースにバッテリーを含む主要電動部品を変更。三元系リチウムイオンバッテリーは、満充電で走行距離50kmを実現。 ──インドで年間250万台を販売する人気モデルのACTIVAのボディとフレームをベースに、MPPを2個搭載したACTIVA e:。定格出力4.2kW、最大出力6.0kWを発揮し、102kmの航続距離を実現。 ──こちらは固定式バッテリーで定格出力1.2kW、最大出力1.8kW、航続距離80kmのQC1。日常の近距離移動に適したモペッドモデルで、ACTIVA e:とともに生産もインドで行うインド専用車だ。