【追悼企画連載再録】病気なんかに負くっか!!/大島康徳の負くっか魂!!
病気なんかに負くっか!!
大島康徳さん
6月30日に亡くなられた大島康徳さんを悼み、連載から幾つかの回を抜粋し、内容的には飛び飛びにはなってしまうと思いますが、掲載していこうと思います。1回目は連載初回です(2017年3月13日号) ◎ 2016年10月、1年に1回の定期健診でした。ナオミさん(愛しの妻です)には内緒にしていたんですが、「少し血糖値が高いよ」とお医者さんに言われまして、糖尿病になったらまずいなと思い、晩御飯などをいつもより抑え目に食べていました。 ナオミさんは、そんな僕の行動に気が付いていたらしいのですが、僕はバレていないと思っていました。少しずつ体重も減ってきまして、「これはダイエットの効果かな」なんて思っていたのですが、ナオミさんに「糖尿病じゃないの。検査しなさいよ」と言われてしまいました。1人だったら病院に行くとウソをついて出掛け、指の運動(なかなかやめられません!)でもして帰ってきたところですが、ナオミさんがついてくると言うから、しぶしぶ診てもらったら、ガンの疑いがあるから手術が必要かもしれません、と。これが10月26日です。 何の自覚症状もないから「ほうっておいたらどうなりますか」と聞くと、「1年で終わります」と言われました。正式な診断名はS状結腸ガン(大腸ガン)です。肝臓への転移があり、ステージで言えば「4(フォー)」。 ショックではありましたが、意外と平然としていました。ガンになるなんて想像もしていませんでしたが、も~し、万が一、告知を受けても手術はしないというのが自分の考え方としてあったのです。そう伝えたら「それは個人の生き方の問題です」と先生にも言われました。 では、なぜ手術を受けることにしたかというと、子どもたちに泣かれたからです。これが小さい子どもなら分かるんですが、このとき長男が29歳、二男が27歳。大の大人です! そんな大の大人が、ポロッと涙を流したんですよ。これは自分で勝手に判断してはいけないなと。手術は嫌だけれども、受けてみるかなとなりました。 術後の状態はいたって普通でした。少しやせはしましたが、すぐ元気になりました。大腸のガンはすべて取りきり、月に1度の抗ガン剤と、飲み薬で肝臓を治療しています。自分の中では何ら変わりはありません。なった人間しか分からない部分もありますが、ガンだからとうつむくことはないでしょう。僕の故郷・大分県中津市の言葉で負けるか、という意味ですが、“負くっか!!”の精神で戦っていきたいと思います。 そんなとき・・・
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