アスレティック・ビルバオがPK戦の末にマジョルカを下してスペイン国王杯優勝!40年ぶりメジャータイトル獲得で水上パレード復活
5日に行われたコパ・デル・レイ(スペイン国王杯)決勝、アスレティック・ビルバオ対マジョルカは1-1で120分間を終え、PK戦4-2でアスレティックが40年ぶり通算24回目の優勝を果たしている。 40年にわたりコパ、ひいてはメジャータイトルの優勝を求め続けてきたアスレティックと、2003年にコパ優勝を果たした“ばかり”で、二つ目のトロフィーを狙うマジョルカが、セビージャにあるカルトゥハ・スタジアムで激突。下馬評では過去23回の優勝を誇り、なおかつ今季チャンピオンズリーグ出場権を争うなど好調のアスレティックだったが、こうした大舞台に選手たちが慣れていないのは両チームとも変わらなかった。 2万1000人ずつ両チームのサポーターが見守るカルトゥハで、先制点を決めたのはアギーレ監督率いるマジョルカだった。21分に迎えた右CKの場面、ペナルティーエリア内中央でルーズボールを拾ったダニ・ロドリゲスが、極めて落ち着き払ったシュートを枠内右上隅に突き刺した。 ビハインドを負ったアスレティックはDFラインでボールを持って攻撃の糸口を探すが、力みや焦りもあってか5-3-2で堅守を敷くマジョルカ相手になかなか前線でパスをつなげない。その中で気を吐いたのは、左サイドのニコ。ウィリアムズ兄弟の弟はまず39分、ユリとのワン・ツーからペナルティーエリア内左に入り込みシュートを決めたが、これはオフサイドの判定となる。また46分にはガラレタのスルーパスから再びニコがDFラインを突破し、右足でボール叩いたが、こちらはサイドネットを揺らすのみだった。前半はマジョルカの1点リードで終了している。 迎えた後半、アスレティックは早い時間帯にスコアをタイに戻した。51分、前線でのボール奪取による再攻撃から、ニコが絶妙なスルーパスをペナルティーエリア内左に送る。これを受けたサンセトが、右足での流れるようなトラップとシュートでGKグレイフを破った。 その後はアスレティックが70%近くのポゼッション率を記録しながら相手陣地で試合を進め、マジョルカが堅守速攻から勝ち越し弾を狙う展開に。ポゼッション率に比例してアスレティックの方が多くのシュートチャンスを手にしたが、しかしグレイフの好守もあって逆点弾は決め切れず。結局、1-1でからスコアは動くことなく、試合は延長戦に突入している。 延長戦に入っても流れは変わらず、ムニアインやラウール・ガルシアを投入したアスレティックが執拗に攻め続けるも、しかしマジョルカの執念の守備を見せる前にゴールは割れない。112分には右サイド深くまで侵入したデ・マルコスの折り返しをニコが右足で叩いたが、これはわずかに枠の右に外れた。その直後にはマジョルカも、エースのムリキがヘディングシュートでゴールをうかがったが、これはGKアギレサラバの横っ飛びに阻まれている。延長戦も1-1で終わり、決着はPK戦に委ねられることになった。 PK戦1本目は先攻マジョルカのムリキ、後攻アスレティックのラウール・ガルシアが両方とも成功。そして2本目で、マジョルカのモルラネスのシュートがアギレサバラに止められ、一方アスレティックはムニアインが成功した。3本目ではマジョルカのラドニッチが枠内にシュートを放てず、反対にアスレティックはベスガがゴール。運命の4本目、マジョルカはアントニオ・サンチェスがネットを揺らして希望をつないだものの、アスレティックもベレンゲルが冷静にシュートを決め切って決着をつけた。 バスクにゆかりのある選手たちだけでチームを構成するアスレティックは、1980年代までスペインフットボールを代表する強豪クラブの一つとして名を馳せ、その後ボスマン判決などの影響によって徐々にタイトルと縁遠くなっていった。しかしながら今季、ラ・リーガ&コパの二冠を達成した1983-84シーズン以来となるメジャータイトルを獲得。グローバリズムがフットボールクラブも画一化していく中で、“自分たちであること”を貫き続けるアスレティックは、はしけ船(ガバラ)でネルビオン川を下る伝統の水上パレードを40年ぶりに行うことになる。 なおコパ優勝チームはヨーロッパリーグ(EL)出場権を獲得できるが、現在ラ・リーガで5位につけるアスレティックがこのまま6位以内でシーズンを終えることになれば、本来カンファレンスリーグ(ECL)出場圏の7位にEL出場権、8位にECL出場権が与えられる。