シャオミやファーウェイなどスマホメーカーの存在も目立った広州国際モーターショー
ファーウェイとSeresの合弁メーカー、AITOのEV車内で実際にHarmonyOSの操作を体験。スマートフォンと変わらないユーザーインターフェースは使いやすく、かかってきたビデオ電話を車内のディスプレイとスマートフォンのディスプレイとの間で表示を切り替えられるなど、シームレスな連携も可能です。
自動車にHarmonyOS搭載のメリットは、同OSで動く家電などもシームレスに接続できること。会場にはHARORIというメーカーが車内の香りをカートリッジ式の芳香剤でコントロールするシステムを展示。HarmonyOSで動作するため、HIMA傘下メーカーの自動車でもそのまま使うことができます。
スマートフォンメーカーの自動車産業での動きはこの2社が活発ですが、他のメーカーも注目です。中国大手自動車メーカーのGeelyはスマートフォンメーカーのMeizuを傘下に収め、MeizuのスマートフォンOSを自動車向けに「Flyme Auto」として採用しています。
Geelyの次世代車内システムはダッシュボードのディスプレイを運転席の前から助手席前まで横に長い1枚のパネルに統合し、3分割にして「運転情報」「ナビ」「エンタメ」として使ったり、あるいは長い1枚の大型パネルとして一体化表示するなど様々な表示に対応する予定です。このようなコントロールを行うとなるとスマートフォンのようなOSの採用が必要になるわけです。
車内にAIアシスタントを搭載し、チャットボットも使えるなどAI機能を充実させたNIOの自動車も展示。
Xiaopengは自社で開発中のAIチップも展示。モーターショーというと華やかな新車を綺麗なコンパニオンの女性が紹介するというイメージがありますが、広州ではそこまで派手な演出は無く、着々と進むEVのスマート化が目立っていました。
最後にオマケを。中国も製品のマーケティングにはインフルエンサーを起用しますが、その手法はライブ配信です。日本や他国のようにYouTuberやインスタを使った動画ではなく、その場で視聴者と対話しながら動画を流すライブ配信が主流です。見ているとメーカーのスタッフも公式のライブ配信を行っており、視聴者からの「その車の座席をもっと見せてほしい」といったリクエストに応えていました。このような様子を見られるのも海外の展示会の面白いところですね。
■ 山根康宏 やまね やすひろ 香港在住の携帯電話研究家。海外(特に中国)のスマートフォンや通信事情に精通。IoT、スマートシティー、MaaS、インダストリアルデザインなど取材の幅は広い。最新機種のみならずジャンク品から百万円のラグジュアリーモデルまであらゆる携帯電話・スマートフォンを購入する収集家でもあり、その数はまもなく1,800台に達する。 公式サイト:http://www.hkyamane.com/
山根康宏