恐ろしい…築10年でも油断できない「大規模修繕」のリスクとは【不動産投資のプロが警告】
築20年超の物件は、雨漏り、給排水、シロアリのリスクも
フルローン、オーバーローンなどで一棟物件を購入し、毎月のキャッシュフローを全額貯めていたとしても、たとえば半年目に大きな修繕が発生したら、全くお金が足りない状況になりかねません。 実際、私がかつて競売で買ったRC造マンションは地盤沈下がひどく、排水が逆勾配で水が流れなくなったため、アスファルトをはがして工事を行ったことがあります。こうしたインフラの不具合については生活に直結しているため、すぐに修繕しなくていけません。 緊急性の高い工事ともなれば、値段を安くするよりは、いかに早く手配をするかが大事です。このような急な出費は常にありえると考えておくべきです。しかし、そうしたリスクを考慮している人はかなり少数だと思います。 中古物件の場合、おおよそ築20年を過ぎたら雨漏り、給排水、シロアリのリスクは予定しておくべきです。ただ現実には築10年でも雨漏りしたり、シロアリが出たり、勾配が変わってしまう物件もありますので油断は禁物です。 キャッシュフローは収入ではなく、「再投資の原資」 また、長期視点で見たとき、大規模修繕など出費がかさむことを予測し、キャッシュフローを貯めていかなければなりません。そもそも不動産投資の基本として、「キャッシュフローは収入ではなく、再投資の原資である」ということを理解しておく必要があります。 いずれにせよ、高稼働で運営ができていれば、こうした建物のメンテナンスにある程度の資金を投資してもキャッシュフローは貯まっていきます。 むしろ、それを次の物件の購入資金に充てることで、資産はどんどん拡大します。再投資の考え方は「複利」と呼ばれ、加速度的にお金が増えていきます。複利では、毎年利子を元金に繰入れていきます。 たとえば「元金1,000万円」「利回り15%」の場合、1年目の利子は1,000万円×0.15=150万円です。元金がそのままでも利子との合計額は150万円となり2年目の利子は1150万円×0.15=172.5万円というイメージです。 このように1,000万円を年利15%で運用して、利息をすべて再投資し、また年利15%で運用する場合(複利)、30年後には約6億6,211万円になります。 柳田 将禎 株式会社ピカいち 代表取締役
柳田 将禎