写真：Car Watch

■ 2025年初頭の設立、事業開始を予定。ホンダは約4億1700万カナダドルを拠出 　旭化成と本田技研工業は11月1日、両社が2024年4月25日に発表した基本合意に基づき、カナダにおけるリチウムイオン電池用セパレータ生産に関する協業に向けて具体的な協議を進め、合弁会社化のための株主間契約を締結したと発表した。 　両社による合弁会社は、関係当局の許認可の取得等を条件に、2025年初頭の設立および事業開始を予定している。 　両社は、旭化成のカナダ現地法人の100％子会社として設立されたE-Materials Canada Corporationが発行する新株を、ホンダのカナダ現地法人であるHonda Canada Inc.が第三者割当増資で引き受けることで25％の出資を行ない、新たに「Asahi Kasei Honda Battery Separator Corporation（仮称）」として合弁会社化する予定。 　ホンダは本合弁会社への出資とその他の資金を合わせ、約4億1700万カナダドルを拠出する予定。付加価値の高い素材技術や電動化技術といった互いの強みを持ち合うことで、高品質なセパレータをリチウムイオン電池に活用し、高性能な電動車の実現に向けた取り組みを加速していく。 　旭化成バッテリーセパレータ 代表取締役 社長 谷口龍氏は「旭化成は、経営の意思決定の迅速化を目的に、10月1日付でリチウムイオン電池の重要部材の1つであるセパレータ（ハイポア）事業を分社化し、旭化成バッテリーセパレータ株式会社を設立しました。当社が培ってきたハイポアの技術や経験、築いてきたグローバルネットワーク、集積された多様な人財は、これからの蓄エネルギー・電池の革新に寄与し続けていけると確信しています。Hondaは2050年カーボンニュートラルの実現に向けた取り組みを推進しており、同社が50年以上にわたる事業経験を持つカナダでは、包括的なEVバリューチェーン構築を進めています。今回のパートナーシップを通して、北米におけるセパレータの安定的な供給体制を確立するとともに、バッテリーの性能や耐久性の向上に貢献していくことで、EVによるエネルギー転換の推進、サステナブルな社会の実現の一翼を担っていきたいと考えています」とコメントしている。 ■ 合弁会社の概要（予定） 社名：Asahi Kasei Honda Battery Separator Corporation（仮称） 所在地：カナダ・オンタリオ州ポートコルボーン市 資本金：約2億4000万カナダドル 出資比率：Asahi Kasei Battery Separator Canada Corporation 75％、Honda Canada Inc. 25％ ■ 合弁会社の投資計画概要（予定） 設備概要：リチウムイオン電池用セパレータ「ハイポア」の製膜・塗工一貫ライン 概算投資額：1800億円（1USD＝145円前提） 生産能力：約7億m2/年（塗工膜換算） 商業運転開始時期：2027年