10アシストで逆転勝利の立役者に、デンソーの木村亜美が語る第3戦への決意「気持ちを高め、絶対に引かないメンタルで行きます」
「自分がやるぞ、という気持ちを持てるのは周りに心強い先輩がいるからこそ」
デンソーは髙田真希、赤穂ひまわり、馬瓜の日本代表トリオを中心に、実績十分な選手たちが揃っている。自ら仕掛けていける打開力を備えた選手たちが複数いるが、それでも木村がコートに立っている時、ハーフコートではほぼ全てにおいて彼女からオフェンスが始まる。約30分のプレータイムも含め、木村は代表トリオと共にデンソーの中心を担っている。 「楽しいです。本当に楽しいです。一緒にできてよかったと思っています」と百戦錬磨の先輩たちと一緒にプレーできる喜びを語る木村は、ファイナルの大舞台でもいつも通りのアグレッシブなプレーを見せている。そして、それはお姉さんたちのサポートがあってこそと強調する。「自分がボールをもらうことは多いですが、リツさん(高田)、ダンさん(馬瓜)、ひまさんなど心強い先輩たちがたくさんいます。その面ではプレッシャーというより、自分がやるぞという気持ちになります。この気持ちを持てているのは周りに心強い先輩がいるからこそと感じています」 また、木村がマッチアップする相手は、セミファイナルのENEOS戦では宮崎早織、今回のファイナルでは町田瑠唯と、日本代表のトップ選手たちだ。「自分は下の立場なので本当にチャレンジャーとしてやっています。やられても引かない立ち向かっていくマインドで、コートに立てています」 1対1の局面ではドライブでゴール下への侵入を許すなど、やられてしまう場面もあるが、ここでもチームメートのサポートで強い気持ちを保てていると感謝する。「やられて辛いと感じる時もありますが、そういう時はリツさんが「大丈夫だよ」、ダンさんが「ここ、もう1回止めるよ」と言ってくれるので落ちる暇がないです。自分で立て直しつつ、周りの人にも助けられています」 最後に運命の第3戦へ木村は、次のように意気込みを語ってくれた。「ルーズボール、リバウンドで、細かいところでも集中力を切らさずに全員で取り切っていくことが本当に大事です。個人としては気持ちを高め、絶対に引かないメンタルでいくことです。頑張ります」 この発言のように、木村が今日のように強いメンタルでゴール下へアタックし、味方のシュートチャンスを作り出すことができれば、デンソーのオフェンスは間違いなく機能する。皇后杯との二冠達成へ向け、木村がらしさ全開のプレーをできるのか大きな注目だ。
鈴木栄一