“ランドセルのプロ”が、最新の技術から「ラン活」まで解説する『ランドセルくらぶ研究室』をスタートした理由
見た目以上に改良されているランドセル
ー一般的に、ランドセルは技術的にどんな改良がされているのでしょうか。 ランドセルの形自体は長年大きな変化がないので、技術的な部分も変わっていないと思われる方も多くいらっしゃいます。 ただ、各メーカーさんそれぞれの技術開発はもちろんですが、基本的な素材や構造など、特に目に見えにくい部分は業界全体として改良が進んでいます。 やはり一つは、6年間の耐久性です。昔のランドセルは6年間使うなかで革の表面が割れてしまったり、壊れてしまったり、変形してしまったりすることが多かったのですが、現在では防水性を持たせたり、表面に傷がつきにくい加工を施すことで、天然の革も人工皮革も最低6年以上は保証できるほど、しなやかで丈夫な素材になっています。 また、ランドセルの中にある補強用の芯材に関しても、以前はベニヤやプラスチック材といった厚く、重い素材が使われていましたが、現在は薄くて、軽く、より丈夫な素材に改良がされています。 そのうえで「ラン活」というワードが2014年に出てから約10年経ちますが、各社からさまざまなランドセルが展開されていますので、「どういう基準でランドセルを選んだらいいか」という悩みはあり続けています。 その解決につながるお役立ち情報、さらにアフターケアも含めて、専門家である業界に属している会員から意見をいただきながら、情報を発信していければと思います。 ーランドセル選びにおいては、色に関しても問い合わせはあるのでしょうか。 トレンドの色についてもよくお問い合わせがあるので、そういったコンテンツも随時アップデートしたいと考えております。 近年の動向としては、女の子のランドセルの色に顕著な変化があります。従来は主流だった赤を選ばれる方が減っていて、ここ数年はラベンダー、薄い紫が人気です。 肌感では、アパレルで流行ったトレンドカラーが、少し遅れてから、お子様のランドセルにも反映されていると感じます。一時くすみ系のカラーが人気でしたが、現在のランドセルにも取り入れられています。 男の子に関しては、主流だった黒の割合は現在も高いのですが、年々比率は下がっていて、ネイビーや青が人気です。赤が選ばれることもあり、ジェンダーレスという話題が出たことによって、本当に自由になってきていると感じています。