食べたくないご飯が出ると、席につこうとしない【子育て相談】
次にしっかりと境界線を引いてください。安全のためにも、ご飯は座って食べるものだと一貫性を持って伝えることが大事です。「席を立つ=ご飯は終わり」という線引きをして、本人に選んでもらいましょう。 「座って食べる? それとももうごちそうさま?」。本人が食べないと決めたら、それで良しとします。 食べ物の話をする時に、責任の分配という考え方があります 。大人の責任は、どこで食べるか、何を用意するかを決めること。一方で、子どもの責任は、出されたものを食べるか食べないか、どれくらいの量を食べるかを決めることです。 「食べなかったら、栄養が心配」という親御さんもいると思います。研究によると、3歳の時に偏食だった子でも、偏食でなかった子と比べて、10代になった時に若干の栄養状態の差はあったものの、健康や発育に悪影響を及ぼすほどの差はなかったということもわかっています 。 栄養バランスを考えた食事を提供することはもちろん素晴らしいことですが、今多少食べるのを嫌がっていてもそんなに心配しすぎないでください。 最後に、ポジティブな点にフォーカスしてみましょう。 大袈裟にほめる必要はまったくありません。ただ、座れている時や、ご飯をきちんと食べられている時に、具体的に「一緒に座って食べられると嬉しいな」「席についてくれてありがとう」と、期待や感謝している行動がわかるように、すかさず具体的なフィードバックをしてみてください。
島村華子(モンテッソーリ&レッジョ・エミリア教育研究者)